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領域の国際法 ― 坂本 茂樹

領域の国際法の試験は、3問出題した。

【問1】、設問1から設問3という3つの枝問から成る。

設問1は、国家領域の基本的知識を問う問題であり、おおむね解答できていた。

設問2は、先占の2要件を問う問題であるが、領有の意思と実効的占有という2要件を解答する問題であるが、占有という場合に、物理的占有を指すのか、社会的占有で足りるのかまで言及できておれば、出題の意図に沿うものであるが、その点、出題者の意図を十分に理解できていない学生がいた。

設問3は、尖閣諸島に関する日中の領有権主張の根拠の説明を求めるものである。授業において、パワーポイントを用いて、日中双方の主張を詳しく説明したが、記述式の問題に慣れていない受講生が散見された。単にキーワードを書いたのみの学生が多かった。また、日中双方の根拠ではなく、一方の根拠のみを記述する学生もいた。

 

【問2】は、海洋法からの出題である。公海制度における船舶の地位と公海における船舶の衝突事件の際の司法管轄権が加害船舶の旗国にあるのか、被害船舶の旗国にあるのかを適当な語を入れる形で問う設問である。おおむね解答できていた。

 

【問3】は、同じく海洋法からの出題であり、領海制度における外国船舶の無害通航権に関する理解を問う設問である。問題は、「軍艦には無害通航権論は認められないという説について論評しなさい」というものである。

 出題者としては、国連海洋法条約の無害通航権に関する条文に依拠しながら、同条約が船種別規制を採用しているのか、行為態様別規制を採用しているのか、後者の場合、それを定めた第19条2項は、例示規定と限定列挙の規定かの理解を問うものである。この問題を考えるにあたっては、無害通航権に関する条文が、A節「すべての船舶に適用される規則」に規定されていることの意義を授業で説明したが、ここまで書けている学生は比較的少なかった。

 

 日本の領有権紛争がマスコミでも大きく取り上げられることもあり、本講義に対する学生の関心も高く、出席率もきわめて高かった。惜しむらくは、記述式の問題にもう少し習熟する必要がある。資格試験や公務員の受験を目指す学生であるならば、出題者の意図を正確に把握し、キー概念やキーワードを忘れず、過不足なく論点を取り上げる記述を磨く必要がある。