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  5. 雇用関係法Ⅱ/企業と労働法 ― 土田 道夫

雇用関係法Ⅱ/企業と労働法 ― 土田 道夫

出題意図

 大問1は、「出向命令権の根拠」「懲戒処分の要件」「退職後の競業避止義務」という基本論点について、語句説明を求める問題である(2問選択)。いずれも、それぞれの措置・権利義務の意義・要件・効果に関する正確な理解を求める設問である。

 

 大問2は論述問題である(1問選択)。

 (1)は、就業規則による労働条件の不利益変更に関する設問である。労働契約法9条・10条に関する基本的な知識を問う問題である。

 (2)は、解雇権濫用規制(労契16条)に関する設問である。解雇規制に関する基本的知識を問うとともに、法的規律のあり方に関する各人のオリジナルな見解を求めた。

 

 

講評

 大問1について。「出向命令権の根拠」については、労働契約法14条を引用して出向命令の根拠と限界を論ずる答案が多数であり、堅実な内容であった。「退職の競業避止義務」についても、同義務の根拠・要件・効果をバランスよく論述する答案が多数見られ、こうした答案については高得点を与えた。「懲戒処分の要件についても同様である。ほとんど勉強の跡が見られないような貧しい答案は、今回は少数であった。

 

 大問2(1)については、①判例法理を踏まえた労働契約法9条・10条の基本的内容、②10条所定の就業規則による労働条件変更の要件(合理性要件・周知要件)、③不利益変更の効果が主要な論点であるが、①②についてバランスよく論述する答案が多数であった。中でも、②について、合理性要件の具体的な考慮要素に関し、基本判例(第四銀行事件・最判平成9・2・28、みちのく銀行事件・最判平成12・9・7)に言及しつつ丁寧に解答する答案が相当数あり、高得点を与えた。他方、講義で詳細に説明したにもかかわらず、②について勉強不足の答案も散見されたのは残念である。本年度の大きな特色は、労働契約法9条に関連して、労使間合意に基づく就業規則変更の要件について詳細に論ずる答案が相当数見られたことである。労働契約法10条と9条の双方について試験時間内に万全の解答を示すことは不可能に近いので、今後は、出題形式・内容に注意したい。

  大問2(2)については、解雇権濫用規制(労働契約法16条)の内容(要件・効果)について正確に説明した上、自己の見解をしっかりと書く好答案が多数であり、これらの答案には高得点を与えた。効果については、近年の政策的課題である解雇の金銭解決制度について、講義で取り上げたこともあり、解雇無効・職場復帰という現行法の規律に対する金銭解決制度のメリット・デメリットについて丁寧に論ずる答案が相当数あり、高得点を与えた。他方、規範内容に関して十分説明しないまま、自己の見解として、解雇・解雇規制に関する印象批評的な解説に終始する答案も散見された。これでは、雇用関係法の答案としては不十分である。