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  5. 税 法Ⅱ/租税の手続と紛争処理 ― 田中 治

税 法Ⅱ/租税の手続と紛争処理 ― 田中 治

(1)本年度の「税法Ⅱ」のねらいは、納税義務の確定の手続に始まり租税争訟手続に至る一連の手続の概要を理解するとともに、この領域における重要で具体的な紛争を法的に処理する方法を理解することにある。設問は、全て論述問題である。事前に出題の傾向を予告したこともあり、また、問題意識を持って講義を聴いていれば、それほど難しいものではないであろう(多くの出題は、未だ解決がついていない争点を取り扱っている)。今後も、講義を丁寧に聴き、理解を深めていけば良好な成績を取ることが可能といえそうである。講義を聴かずに受験した場合は、解答にかなり困難を覚えるであろう。基本的に、講義で詳しく説明し、論じた問題から出題することに留意されたい。なお、論点について判決がどのように述べているかを示すのみでは、十分ではない。判決は法律と同じ法的拘束力を持つものではなく、また、税法に関する判決には事例判決が多く、問題のある判決もないではないからである。批判的で多面的な視点が求められる。

 

(2)問題Ⅰは、制度の基本的な仕組みに関する理解を問うものである。問1は、納税者による是正と課税庁による是正の両面(納税者による更正の請求と職権による減額更正処分)に触れる必要がある。問2は、更正の請求の要件を理解しているかどうかにかかっている。問3は、重加算税の賦課要件の規定に関して解釈の幅があると考えるかどうかに左右される。いずれの解答でも理由がきちんと書いていればよい。問4は、重大な手続違反は課税処分の取消しの根拠となるかどうかが争点である。問5については、十分な解答は少なかった。源泉徴収義務の履行が極めて困難な場合において、その範囲を限定的に解しうるかどうかが争点である。問6は、取消訴訟の排他性または公定力の問題であり、行政法の知識が必要なため、解答に困惑した者がいたかもしれない。

 

(3)問題Ⅱは論述問題である。2問から1問を選択することを求めている。正確な知識があるかどうか、論理的な記述かどうか、対立する見解に十分な目配りをしているかどうか、が判断の基準である。とりわけ、対立する見解とその法的根拠をどのように考えるか、が基本的に問題となる。この論点を中心に論じるかどうかが、解答の適否を分けることになる。第二次納税義務の問題については、国税徴収法の当該条文の正確な読み方が問われる。同族会社の行為計算否認規定の特徴と限界については、他の課税要件規定との優先劣後および限定的解釈の方法をどう考えるかが問われる。

 登録者数は38名、受験者数は22名である。全体として、受験した者の多くは、良好な成績を示しており、AまたはBの評価が多い。