Doshisha University
  • 同志社大学ホーム
  • 入学試験情報
  • お問い合わせ一覧
  • 交通アクセス・キャンパスマップ
  1. TOP
  2. 法律学科
  3. Student's Voice
  4. 企業法務を目指す後輩の皆さんへ

企業法務を目指す後輩の皆さんへ

池田 愛さん

2011年3月法学研究科私法学専攻修了 武田薬品工業株式会社法務部 

 

◇現在の仕事
 私は、法務部の「技術関連契約」というグループに所属し、知的財産権の取扱いに関する契約(例えば、特許や商標のライセンス契約、共同研究契約など)を担当しています。社内の他部門から依頼を受けて、契約書を起案し、相手方と交渉し、取引を成立させるというのが仕事の基本的な流れです。ーつとして全く同じ内容の取引は存在せず、取引の内容が変わると、必然的にその中で重要になるポイントも変わってくるので、取引毎に対となる研究・技術の内容や取引のスキームを正確に理解することが要求されます。法学のバックグラウンドしかない私にとって、医薬品の最先端の研究内容や億単位でのビジネス戦略を理解することは、しばしば大変だと感じることもありますが、新たなチャレンジを続けることができる今の仕事をとても気に入っています。

 

◇企業法務の魅力
 企業法務に携わるようになってまだ2年足らずですが、企業法務を将来の選択肢のーつとして考えられている方々に向けて、私が感じた企業法務の魅力を2点ご紹介したいと思います。
 新入社員のときにまず魅力的だと感じたのは、専門的な知識に基づいてきちんと根拠を示して説明すると、新入社員の意見や判断であっても、それが尊重され、採用されることです。自分で粘り強く調べ考え抜いて出した結論について、先輩社員や上司、他部署の担当者そして交渉相手から「なるほどね!」と言って納得してもらえたときには、非常に達成感を感じます。 

 社会人2年目になり1年目を振り返ったときに感じたことは、企業法務は、法律の分野を超えて多様な知識を吸収することが出来る仕事であるということです。社内の他部門に法律的な助言を行うという法務部の仕事の性質上、社内の様々な部暑の人と仕事をする機会に恵まれるので、例えば、研究者からはipS細胞やスーパーコンピュータ“京”を使用した最先端の医薬品の研究、税務担当者からは世界各国の税制度、中国の現地駐在員からは中国マーケットの特徴等、今まで私個人としてはあまり馴染みがなかった分野の情報に触れることができ、非常に興味深いです。学生時代と同様またはそれ以上に知的好奇心が満たされ、日々新たな学びがあるということは、今後も長い間仕事を続けていく上で、非常に魅力的な点だと感じています。

 

◇仕事に活きる学生時代に得たもの
 「法学部で自分が勉強していることは、将来何か役に立つのか?」。これは、多くの学生の方が一度は抱く疑問ではないかと思、います。残念ながら、大学・大学院時代に学んだ法律の知識が、日々の仕事に直結して役立つというケースは非常に稀ではないかと思います。しかしながら、私は社会人になって、法学部の学生時代に知らず知らずのうちに繰り返してきた、①難しい問題に向き合う、②講義で先生の解説を聞く、友人と議論をする、書籍を読む等して、そこから自分がベストと思う答えをき出す、そして③自分の答えを論理立てて相手に説明する、というプロセスが、仕事において困難なことに対処する上で非常に役立っていると感じます。これは、企業法務に限らず、後輩の皆さんが将来どのような進路に進まれる場合であっても、同じであると思います。日々の講義・ゼミや試験勉強の過程を大切に、実りある大学生活を送ってください。

 

『NETWORK法学部2013』より転載