Doshisha University
  • 同志社大学ホーム
  • 入学試験情報
  • お問い合わせ一覧
  • 交通アクセス・キャンパスマップ
  1. TOP
  2. 法律学科
  3. Student's Voice
  4. 研究者という道

研究者という道

田坂 晶さん

2009年3月  法学研究科博士課程後期(公法学専攻)退学  島根大学法文学部准教授

私は2009年4 月から島根大学法文学部に赴任し、現在は、刑法総論・各論の講義のほかに、他学部生を対象とした一般教養講義などを担当しております。

私が研究者になりたいと思ったのは修士課程1 年のときでした。これは決して早いスタートではありません。研究者という職業への道はひとつではありませんが、私はまず博士課程への進学を志望していたので、海外文献を読めるようになる必要がありました。私がしようとしていた研究を深めるには、アメリカ合衆国、イギリスでの議論に加えて、ドイツでの議論を知ることも不可欠だったため、英語はもちろん、ドイツ語の文献が読めなければなりませんでした。これまでドイツ語に触れたこともなかった私にとっては、まさにゼロからのスタートでした。また、これまで本格的な「論文」の執筆に取り組んだこともなかったため、何もかもが手探り状態でした。最初は、何をどのように論文にまとめたらいいのかも分からず、「日本語で考えて日本語で書こうとしているのにどうしてこんなに難しいのか」と不思議でした。

やるべき課題が山積していて、分からないことだらけの状態でスタートした私の研究生活でしたが、先生方や先輩方からアドバイスをいただくなかで、継続的な積み重ねが必要だと思い、長いスパンで研究を続けるために、ふたつの目標を設定しました。

まず、授業がない日でも学校に行きました。家でひとりきりでサボらずに努力を続ける自信がなかった私は、毎日学校へ行き、研究室で勉強をしていました。研究室では、同じように研究者を目指して勉強をしている同期の仲間や、目指す目標は違ってもそれぞれの目標に向かって努力をしている友人たちの姿が目に入りますから、私も頑張らなきゃと追い立てられます。また、学校で勉強をしていると、疑問に思ったことを先生や友人たちに質問できるという点も大きなメリットでした。

ふたつめは、期限を設定することです。資格試験などの場合は、試験日が決まっていて、その日に向けて模試も数回実施されるので、自分の勉強の進み具合を客観的に見る機会があります。しかし、「研究」という分野においては、誰も締め切りを決めてくれませんし、進捗状況を客観的に測るバロメーターもありません。問題を発見して調べて考え、論文にまとめるという作業を自分ひとりで行わなければならないのです。そこで、自ら目標を設定して計画的に進めることが必要になってきます。私は、論文を出す日を決めて、そこからやるべき課題とそれぞれの課題の締め切りを逆算し、それは絶対に守ると決めて、自分で自分を追い立てていました。

このふたつは就職した今でも意識するよう心がけています。大学院時代、とくに研究者を目指す人が博士課程に進学してからは、授業も多くありませんし、サボろうと思えばいくらでもサボることができる状況です。このような中で、いかに自分を律し、研究を継続していくかということが重要になってくると思います。自分を律することは何を目指すにしても必要なことだと思いますが、自ら計画的に作業を進めることが要求される研究者を目指す場合には、とくに大切なことだと思います。

私は、以上のふたつを目標として設定することによって自分を律していましたが、この方法がすべての方にとって有益であるとはいえないかもしれません。大切なのは、「自己流」の勉強スタイルを確立し、それを継続することだと思います。皆さんも、自己流のスタイルを見つけて、頑張ってください。そして、仲間たちとの時間を大切にして、お互いに切磋琢磨しながら充実した学生生活を送ってください。

 

『NETWORK法学部2011』より転載