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法律専門職としての司法書士

万木 恵美さん

2006年3月法学部法律学科卒業 司法書士法人鵜川事務所

「司法書士」と聞いて、どのような職業かを瞬時に正確にイメージできる方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。「司法」とつくぐらいだから、法律関係の職業であることはなんとなく想像がつくけれども弁護士ほど耳馴染みのある職業ではないし、「書士」というからには、法律に関する書類を作成する職業なのではないだろうか、おそらくこのぐらいの認識でいる人が大多数ではないでしょうか。実は学生の頃の私自身もそうでした。私は、当初から司法書士という職業に魅力を感じて資格取得を目指したわけではありませんでした。法律に興味を持ち法学部を選択した頃から漠然と法律関係の職業に就きたいと考えていたのですが、弁護士や検察官などの法曹とは異なる法律専門職として司法書士という仕事があるということを知り、興味を持ったところから始まりました。司法書士は、弁護士や公認会計士などと同様、いわゆる「士(さむらい)業」といわれる職業であり、業務の専門性が極めて高く、その道のプロフェッショナルとして己の体一つで生計を立てていくことができるという点に魅力を感じ、ものすごく格好よく感じたのです。

では司法書士は具体的にはどのような業務を行うのかという点についてですが、司法書士の中心業務に位置付けられるものとして不動産登記手続きの申請代理及び書類作成があります。不動産の売買契約が成立すると法務局に所有権移転登記(いわゆる名義書換といわれるもの)を申請し、その内容が登記簿に記載され、その不動産の権利関係に変動があったことを社会に公示するのですが、司法書士はこの不動産売買取引の代金決済に立会い、登記関係書類の確認や当事者の意思の確認を行い、取引の成立の可否につき最終の判断をするという責任を負います。不動産という非常に重要な財産を対象とした取引が公正かつ安全に行われるよう主導し、国民の権利が損なわれることのないよう擁護するいわば番人のような役割を担っているのです。その職責を負う者として、日常どんなときもお客様の権利を守ることと取引の安全性を確保することを念頭に業務に携わるよう心掛けています。そのためには、実務に就きながらも勉強は欠かせませんし、そうして得た知識や経験が司法書士としての自分自身の財産や武器となるのです。そして、お客様から相談や質問を受けた際にそれらを提供することでお客様の不安や疑問を解消し、安心して法律行為に臨むことが可能になり、ひいてはそれが社会に貢献することに繋がっていくと私は考えています。

このように司法書士は、何かトラブルが起こる前にその危険を察知して未然に回避し、取引や法律行為の安全性を確保しようとする「予防法務」の専門家であるといえます。この点が、同じく法律専門家である弁護士との最も大きな違いであると言われています。不動産取引の他、成年後見業務や財産管理業務といった、様々な事情により自ら財産を管理できない人の財産がいたずらに損なわれてしまうことのないよう、その人に代わって司法書士がその財産を管理するということも昨今、司法書士が活躍の場を広げている予防法務の分野であるといえます。

司法書士として働くようになって 4 年目になりますが、現在も日々新しいことを学んでおり、今後も司法書士が社会から期待される役割は多分野に広がりつつあることを身をもって感じています。また、事務所によって取り扱う業務分野が様々ですので、自分が経験を積みたい業務に特化した事務所を選択し知識や経験を習得した上で、さらに新たな分野を深めるために異なる事務所に移籍するなど、一般企業に比べると再就職も容易であると思います。もちろんそうした勤務を経ずに即独立開業をすることも現実に可能です。

最後になりましたが、私の文章を読んで頂いて、少しでも司法書士という職業に興味を抱いてくださる方がいらっしゃったら幸いに思います。

『NETWORK法学部2014』より転載