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自信を持つこと

山上 高弘さん

2011年3月法学研究科政治学専攻修了 読売新聞大阪本社
  

 2010年10月初旬。午前中に最終面接を終えた私は、緊張が解けた後の疲れからかべッドにうつぶせになって深い眠りに。タ方、鳴りく携帯電話の着信音で目が覚め、寝ぼけ眼で電話に出るとお世話になった人事部の方の声が。うれしさのあまり横にあった枕を何度も殴りました。私にとって初めての内々定の知らせで、長かった就職活動の終わりを告げる暁間でもありました。
 私は翌年4月に入社し、現在3年目の新聞記者です。冒頭の「10月」に引っかかった方もいるかもしれません。多くの学生は夏前には就職活動を終えるでしょうから、私は最後の最後で内定を頂けた身になります。私は新聞社しか応募しておらず、今勤めている会社がその年に応募できた最後の新聞社でした。つまり不採用であれば就職浪人を意味しました。ですから「どうしたら内定がもらえるのか」といったノウハウをお伝えできる立場にはありません。ただ「なぜ最後まで夢を諦めずに追い続けることができたのか」、それなら皆さんに少しだけアドバイス出来るのではと思います。 

 私は高校時代から社会問題に関心を持つようになり、大学では政治学を学びました国際交流やボランティア活動などにも取り組み、比較的充実した学生生活を送れていたように思います。その頃から記者になる夢はありましたが、自分の学んだことをしっかりとした論文にしてから社会に出たいと思った私は、就職活動はせずにそのまま大学院に進むことにしました。通常よりも2年多く学生生活を過ごした訳ですから、業界研究や試験対策は行えていたかもしれません。
 しかし万全の準備で挑んだ春の採用試験(一部の新聞社では春と秋の年2回採用試験を行っています)では、ことごとく不採用に泣きました。梅雨が過ぎ去る頃には、それまで応援してくれた母親からも「新聞社以外にも受けた方がいいのでは」と心配されるようになりました。学部時代からの貸与制の奨学金も山のように積み重なり、自分自身も「このままでいいのか」と何度も将来について自問自答しました。
 それでも最後まで「自分は記者になれる」という自信を持ち続けることができました。その自信はどこから湧いたのかといえば、やはりいかに明確な目的意識を持って学生生活を過ごしたかにあると思います。例えば大学院進学の選択一つとってみても、すでに述べたように自分には「論文を書きたい」という強い思いがありました。私の周りには就職活動に失敗した際のすべり止めのような意味合いで大学院を選択肢に考えている人もいましたが、そういった考えはありませんでした。いま振り返ってみれば、ーつーつの選択に直面した際に自分なりの信念を貫く、つまり「筋」を通して生きてきたことが後々の自分への強い自信になったのだと思います。そしてその自信が逆境の
中でも自分の背中を押してくれました。
 もちろん人によって事情はさまざまでしょうから、私のように新聞記者だけを目指して就職活動をすることが難しいという人もいると思います。それでも「1%の可能性があるならそれにかけたい」という強い気概を持ってほしいです。たとえ記者の夢を諦めるとなっても、10年後に振り返ったときに自分の生き方に胸を張れるような選択をしてもらいたいです。
 最後に「新聞記者は憧れだけでは務まらない」とよく言われます。確かに大きな事件が起きれば寝る暇も無くなります。お風呂に入っている時に会社からの携帯電話の着信音が幻聴で聞こえることも日常です。でも私は大変な職場であるからこそ、新聞記者を目指す人には強い憧れを持ってほしいです。もちろん面接では少々の理屈も必要ですが、憧れた仕事ができることほど幸せなことはないと思うからです。

 

『NETWORK法学部2013』より転載