Doshisha University
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新井 京

それでも<平和>をあきらめない―武力紛争法

教授 新井 京

<専門分野>国際法
<研究室>光塩館301 Tel 251-3595

プロフィール

 同志社高校、同志社大学法学部卒業。2006年同志社大学に着任。趣味は音楽と読書です。学生時代は同志社交響楽団などでヴァイオリンを演奏していました。最近オーケストラに再挑戦しはじめました。海外(特に東南アジア方面)では、よほどリラックスして見えるのか、よく現地の人と間違われ、現地語で道を聞かれます。日本では聞かれないのに...。

私の研究

国際法のなかでも武力紛争法を研究しています。武力紛争法は、国際人道法とも呼ばれ、戦時における戦闘方法や兵器の規制、文民や捕虜などの保護を通じて戦争の影響を最小限に抑えることを目指す規則です。戦時のルールを研究しているというと誤解を与えるかも知れません。戦争など規制のしようがなく、そのようなルールにも研究にも意味がないのではないか。あるいは戦争を放棄し平和を望む皆さんとは価値観がずれているのではないか、と。

確かに戦時のルールは違反のオンパレードです。例えば、南京、アウシュビッツ、沖縄、広島・長崎と。だから戦争は起こってしまったら終わり。ルールがあるなどという妄想を抱かずに、戦争の無い世界を作りましょう。皆さんがそう考えるのも一理あります。現行国際法上、戦争は禁止されています。しかし不幸にして戦争も戦時の残虐行為も無くなりませんでした。ですから今日でも、戦争そのものを防止すると同時に、そのような戦時のルールを発展させることが大事なのです。

それでは戦時のルールは守られるのか。残念ながら戦時の逸脱行為は後を絶ちません。対策としては 2つ考えられます。1 つは、あまり理想的になりすぎず、「戦時でも守ってもらえる」現実的なルールを作ること。武力紛争法の歴史は、人道の精神とこのような現実主義とのせめぎ合いでした。そのような中から、一歩ずつルールを発展させてきたのです。もう 1 つの方法は、戦争が終われば戦争犯罪の責任は問われないという風潮を変えて、「アカウンタビリティの文化」を育てること。これまで国家の壁に阻まれていた戦争犯罪の訴追も、国際刑事裁判所の登場によって、少しずつですが変わりつつあります。

「平和をあきらめた」とか「戦争を肯定している」とか思われがちですが、私は武力紛争法を「それでも〈平和〉をあきらめない人類愛」の象徴だと考えています。どうしても戦争をやめられない、戦争犯罪に走ってしまう、そのような人類の愚かさを前提にして、残虐行為をいかに最小限に食い止めるか、いかに責任者を処罰するかといったことを追求するのが武力紛争法だからです。敬愛する最上敏樹先生の言葉を私と同じく平和をあきらめたくない皆さんに送ります。  「平和について考え続けるときに、すべての理想をいますぐに実現せよと求められているのだとは考えないで下さい。歴史を見ても、少しずつ成果を積み重ねていくほかないのが現実なのです。私たち年長の者ができなかったことを、すべて皆さんの責任にして残していったりはできません。せめて、前の世代から受け継いだ世界より悪い世界を皆さんに残さぬようにはしたい。だから、もし私たちにそれができたなら、どうかそれを少しでもよくなるようにしていただきたい、と願うのです。」(最上敏樹『いま平和とは』岩波新書)

講義・演習・小クラスについて

2 年次演習は、具体的な紛争や国際社会の諸課題を取り上げ、国際法との関わりを学びながら、国際問題に対する法的センスを高め、国際法の基本的知識の習得を目指します。3 年次以降は国際司法裁判所の判例を中心に国際法の理解を深めます。4 年次の最後に各自論文を執筆してもらい、それを論文集として発表します。これは下級生やOGOBの皆さんに配布しており、新井ゼミの財産です。各ゼミとも関西の国際法ゼミ対抗のディベート大会や、早稲田大学等との合同ゼミに参加します。
講義は、「国際社会と法」及び「国際紛争と法」を受け持ちます。国際法模擬裁判(世界大会)を目指す特殊講義も開講しています。