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未遂犯の研究

助教 佐藤 由梨

<専門分野>刑法
<研究室>光塩館 Tel 251-3609  

私の研究 

 みなさんは、二重の危険の原則という言葉を耳にしたことはありますか。二重の危険の原則とは、一度無罪または有罪の判決が言い渡された場合は、それと同一の事件について再び審理することは許されないというルールを言います。この原則は絶対的であり、たとえ無罪判決後に、有罪であることを証明する証拠が発見されたとしても、再審することは認められません(これに対して、有罪判決が確定した後に、無罪であることを証明する証拠が発見された場合の再審は認められています)。
 ところが、近年、イギリスをはじめとする一部の国で、無罪判決後に有罪であることを証明する新たな証拠が発見された場合に、無罪を言い渡された人を同一事件について再審することを認めるという法改正がなされました。その背景には、DNA 鑑定等の科学捜査技術の発達により、最初の裁判時には獲得できなかった証拠を後に利用できるようになったことがあります。また、犯罪の被害者やその遺族からすれば、無罪になった者が真犯人であることを証明する新証拠が発見されたにもかかわらず、真実を明らかにするための再審ができないことには納得がいかないでしょう。こうした被害者遺族が法改正のための運動を展開したことも、法改正の要因の一つと考えられています。
 その一方で、忘れてはならないことは、無罪を言い渡された人の多くは罪を犯していない無実の人であるということです。新証拠が発見されたことを理由に、無罪となった人の再審を認める法改正は、こうした無実の人までも再審の危険に巻き込み、場合によっては冤罪を生むことになりかねません。だからこそ、二重の危険の原則は、無罪判決後の再審を禁止し、一度刑事手続の苦痛を経験した被告人を手続から解放してきたのです。
 私の研究は、二重の危険の原則に関する海外の動向について、どのような理論づけで無罪判決後の再審が許容されているのかを分析し、そうした分析を踏まえて、日本においては、二重の危険の原則をどのように理解していくべきであるのかについて問い直すことです。

講義・演習・小クラスについて

春学期は「リーガル・リサーチ」、秋学期は「刑事手続法概論」と「原典講読」を担当します。
 「リーガル・リサーチ」では、法律文献の探し方、資料のまとめ方、報告の仕方など法律学の基本的な学習方法を学びます。また、この授業を通して、法律の面白さを感じてもらえればと思います。
 「刑事手続法概論」では、刑事手続がどのような流れで進んでいくのかを学び、制度の全体像について理解してもらいます。授業では、事件や裁判に関する報道など、私たちの身近にある刑事手続に関する情報についても触れていきたいと考えています。
 「原典講読(イギリスの法と政治)」では、イギリスの法制度に関する文献などを丁寧に読むことで、英語文献の読解能力の向上を目指すとともに、イギリスの法制度や日本の法制度との違いについて学びます。

プロフィール

大阪府出身。同志社大学法学部卒業後、同大学法学研究科へ進学し、現在に至ります。趣味は写真撮影ですが、去年は、休日はほとんど家で過ごしあまり写真を撮ることができなかったので、今年はカメラを携えて色々なところへ出かけてみたいと思っています。