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  5. 商 法 概 論-1 ― 川口 恭弘、釜田 薫子

商 法 概 論-1 ― 川口 恭弘、釜田 薫子

本問は以下のⅠとⅡでそれぞれ50点満点で採点し、その合計点で評価を行った。

Ⅰ 問題1は、株式会社の合併について、会社法の定める規制と独禁法が定める規制について、それぞれの趣旨と内容を問う問題である。会社法の規制は株主と会社債権者の保護を目的とする。そこでは、株主の保護として株主総会の特別決議と反対株主への買取請求権の付与、会社債権者の保護として債権者異議申立制度を説明する必要がある。独禁法の規制は私的独占が発生することによる国民全体の不利益を回避することを目的とする。そこでは、一定の規模以上の合併についての公正取引委員会への届出義務、実質的に競争を制限するような合併の禁止を説明する必要がある。

 答案には、独禁法の問題としてカルテル規制を述べるものがあった。しかし、私的独占が生じる点では類似点があるものの、一方の会社の消滅を前提とする合併と会社の存続を前提とするカルテルは異なるものである。

 問題2は、株式会社の決算の目的と手続きの仕組みを、指定された用語を使って説明させる問題である。指定された用語をすべて使用する必要があり、欠けている場合は減点対象とした。会社の決算は、取締役に経営を委ねた株主さらに会社債権を有する会社債権者のために会社の財務状態を明らかにするためのものである。事業年度終了後に、会社はB/S(貸借対照表)、P/L(損益計算書)を作成し、株主総会に提出する必要がある。これらの計算書類は会計監査人による会計監査を受けなければならず(計算書類は会社が作成するものであるので、その適正性を確保するため外部の専門家によるチェックが必要)、また、株主総会の終了後、公告(電子公告等)される。このような手続きの流れと意義を正確に述べる必要がある。

 問題1と問題2ともに、講義で重点を置いたところであり、講義に出ていた学生にとって解答は比較的容易であったと思われる。

Ⅱ 問1は、語句の意味を説明する問題である。(1)は会社の根本に関わる変更、取締役など会社の機関の選任・解任に関する事項、株主の利害に大きく影響を与える事項の3つが正解である。3つ書いていない答案にも部分点を与えた。会社法295条2項について書いているものも正解とした。(2)は取締役の終任事由を列挙すること。取締役の任期と混同している答案が多かった。(3)は、監査役会が設置されている場合でも各自が単独でその権限を行使できること。(4)は投資家から直接資金を集めること。社債や株式。(5)は特定の者のみを相手に募集を行ってその者だけに株式を発行すること。公募や利益分配などと混同している答案が多かった。(6)は、6か月前から引き続き株式を有する株主が会社を代表して会社の有する請求権を代位して役員等に対して責任追及を行う訴訟。誰の請求権を誰が代位するのかをきちんと理解できているかどうかが大切である。

 問2は、インセンティブ報酬として使われる場合(ストック・オプション)、買収防衛策として使われる場合(ポイズン・ピルやライツ・プラン)の2つが正解である。語句とその内容について完全に書けている答案は少なかった。新株予約権の説明のみをしているものについても部分点を与えた。できる限り正確に言葉の定義、内容を理解するよう心がけてもらいたい。