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  5. 商 法 概 論-2 ― 伊藤 靖史、白井 正和

商 法 概 論-2 ― 伊藤 靖史、白井 正和

【出題意図】

 講義では、会社法を含む商法分野の基本的なルールについて、内容・目的・機能を正確に理解してもらうことを第一の目標とした。出題形式・内容・レベルも、以上のような目標の達成度を測ることができるよう設定したつもりである。出題は試験範囲内から万遍なく行い、「ヤマ」を当てることによって高得点を得られる可能性をできるだけ排除した。

 

【講評】

 全体的な正答率は昨年よりも良く(ただし、正答率の高い答案とそうでない答案との間のバラつきは大きかった)、全問正解した者も5名いた。正答率の極端に低い設問もなく、正答率が最も高かったのは第19問(94.3%)、最も低かったのは第14問(41.3%)であった。

 会社法の分野では、第9問の正答率が52.1%と、他の設問よりもやや低かった。選択肢ア)ウ)は授業で説明したとおりであり(正しい記述)、イ)は、「合理的なものであってはじめて」が誤りである(正しくは、「著しく不合理な点がないかぎり」)。また、ア)と同様の事柄を扱う記述は昨年の試験でも出題しているが、昨年は、「株式会社と取締役の関係は雇用に関する規定に従い、取締役は会社に対して『雇用の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、事務を処理する義務』を負う。」という記述を誤りとして出題している(「雇用」という部分が誤り)。このように、同様の事柄を扱う記述であっても、内容(正誤)を変えて出題することがあるため、試験勉強として過去問を解く際には、自分の解答が正解かどうかを確認するだけではなく、誤りであった記述についてはどの点が誤りなのかを講義ノートやテキストに照らして確認する必要がある。

 取引法の分野では、第14問の正答率が41.3%、第15問の正答率が54.2%と、他の設問よりも低かった(取引法分野の平均正答率は72.6%)。第14問は匿名組合に関する問題であり、いずれも授業で説明した内容である(選択肢ア)とウ)が正しく、イ)が誤り)。特に選択肢ウ)に関して、匿名組合は民法上の組合とは異なり、匿名組合員が出資した財産は営業者のみに帰属することになる(匿名組合員の共有財産になるわけではない)ので、民法上の組合制度の理解に引き摺られて回答を誤った方は、これを機に、民法上の組合とは異なる匿名組合という仕組みの特徴を講義レジュメ等で復習してもらえればと思う。第15問は支配人に関する問題であり、いずれも授業で説明した内容である(選択肢ア)とイ)が正しく、ウ)が誤り)。特に選択肢イ)に関して、支配人は、商人の許可を得ないで、自ら営業を行うことや他の商人の使用人になることはできず、講義で支配人の後で扱った代理商(競業避止義務は負うが営業禁止義務は負わない)とは異なるので、注意が必要である。類似する制度について、内容が混同しそうであれば、講義の内容を思い出しながらそれぞれの制度趣旨に遡り、なぜそのような違いが認められるかについて意識的に理解しようとする姿勢が大切である。