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  5. 会社法Ⅱ-1/企 業 組 織 法-1 ― 川口 恭弘

会社法Ⅱ-1/企 業 組 織 法-1 ― 川口 恭弘

 〔1〕は、会社の設立に関する基本的な論点を問うものである。

 問1の正解は以下のとおり。

①準則主義

②発起人

③原始定款

④公証人

⑤絶対的記載事項

⑥相対的記載事項

⑦現物出資

⑧検査役

⑨財産引受

⑩事後設立

 法律用語については、誤字脱字は厳格に採点した(たとえば、⑧は検査人では誤答)。

 問2は、定款に記載のない財産引受に関する追認の可否を問うものである。講義では、判例(否定説)と学説(肯定説)を紹介したが、解答にあたっては、両者を比較の上、自己の見解を述べる必要がある。

 問3は、事後設立に関する会社法の規制を問うものである。規制の必要性(現物出資や財産引受けの規制の脱法として利用される可能性)と規制の方法(一定の要件のもと、株主総会の特別決議を必要とする)を答える必要がある。「相対的記載事項(定款に規定がないと効力が生じない)であるから」という答案が見られたが、これでは解答にならない。定款に記載がないことで効力が生じないことを前提に、後の追認が可能であるかが問題とされている。

 問4は、「見せ金」の仕組みとその効力(有効か無効か)を問うものである。「預合い」との違いを踏まえて、有効・無効を論じることが求められる。予想された問題であったのか、全般的に良く書けていた。もっとも、効力については、十分な検討がなされていないものも見受けられた。

 〔2〕は、監査等委員会設置会社についての問題である。その仕組みを「監査役設置会社」と「指名委員会等設置会社」と比較の上、解答することが求められる。答案には、3つの企業統治のモデルを並列的に紹介するのみで、比較の視点がないものが多かった。取締役会の権限を執行側に委譲することの可否とその際の監視・監督の仕組みは必須の論点である。また、任期について長々と書く答案が多かった(間違いではないが、論点はほかにも多数ある)。なお、監査等委員会設置会社は「社外取締役」の数が少なくて済むという解答も多かったが、指名委員会等設置会社でも3委員会の社外取締役を兼任させれば最低限2名で足りる。CGコードの影響で、監査役会設置会社については、2名以上の「社外監査役」と2名以上の「社外取締役(すなわち、4名の「社外者」)が必要となるが、監査等委員会設置会社でも2名以上の「社外取締役」が必要であることに変わりはない。この点に触れるならば、監査等委員会設置会社では、「社外者」(社外取締役ではなく)の数が少なくて済むと述べなければならない。

 〔3〕は、合併対価の柔軟化の意義についての問題である。これは、吸収合併の際に、消滅会社の株主に対して、存続会社の株式に代えて金銭等の交付を行うことを許容することをいう。金銭を交付すれば少数株主の締め出しを実現し、親会社の株式を交付すれば三角合併を可能とする(これが具体例となる)。答案には、買収防衛策としての新株予約権の交付を取り上げるものがあったが、これは、合併対価の柔軟化の問題ではない(ブルドックソース事件は合併事例ではない)。

 法学部3回生・2回生の採点結果は以下の通りである。

A(29.8%)、B(11.6%)、C(12.4%)、D(21.6%)、F(24.6%)

 なお、法学部4回生以上、他学部生を含むとF率が増加する(欠席者はF扱いとなるため)。