Doshisha University
  • 同志社大学ホーム
  • 入学試験情報
  • お問い合わせ一覧
  • 交通アクセス・キャンパスマップ
  1. TOP
  2. 在学生の方
  3. 成績・授業評価
  4. 2016年度秋学期
  5. 民法Ⅰa(総則①)-1 ― 川和 功子

民法Ⅰa(総則①)-1 ― 川和 功子

 まんべんなく条文、判例に則した基本的な知識を問う問題を多く出しました。復習をしつつ、丁寧に学習した学生にとっては点数が取りやすい問題であったかと思います。正解を導くために必要となるレジュメの箇所を記しておきます。

第3部の問題については、問題文にある様に、根拠となる最も適切な民法の条文を参照しつつ、事例がある場合には事例に則して説明することが必要となります。従って、事例問題については、条文を引用するだけではなく、当事者A,B,Cが条文に照らして、どのような法的地位にあり、結論として、どのような主張をすることが可能であるのかということを的確に書く必要があります。条文について書いただけでは十分な答えにはなりません。

第1部 

問題1  

レジュメ第1回 1.民法とは

1.1 民法の意義

1)私法と公法 

・      私法:自由・対等の私人間の法律関係を規制する法

→民法・商法

 

問題2 

第2回 2.33 権利濫用(1条3項) 

2)宇奈月温泉事件③客観的要素の重視

      権利の行使によって生ずる権利者の利益と、相手方または社会全体に及ぼす不利益との比較衡量

⇔ 主観的要素:他人を害する目的で権利を行使するという主観的要素の重視

ア)引湯管を撤去するのは著しく困難で、それができたとしても莫大な費用がかかるのに対して、Bの損失はわずか2坪にすぎない(客観的要素)

イ)BがことさらAから本件土地を買い受け、設置者に法外な価格で買い取るように求めたという事情(主観的要素)

 

問題3 

第3回2.1 不動産と動産 

1)不動産とは:土地及びその定着物(86条1項)

A)土地

・地上と地下:土地は土地の表面(地表面)だけでなく、社会通念上支配可能と見られる範囲で地上と地下を含む

・大深度地下:大深度地下の公共的使用に関する特別措置法

 

B)定着物=土地に固定されており、取引観念上継続的に固定されて使用されるもの(建物、銅像、線路、植物の苗など)

 

問題4 

第13回 2.内容に関する有効要件

2.1 確定性 

2)給付目的物の確定:確定していなければ、その内容を実現しようがない。

第13回 3.法令による内容規制

2)任意法規

A)当事者の意思によって排除できる法令→法令に反する法律行為がされても、有効とされる。

B)任意法規であることが明示されている場合

例:「別段の意思表示がないとき」(404条)、「当事者が反対の意思を表示したときは、この限りでない」と定められている場合(474条1項等)。

 

問題5 

第5回 2.7 承諾 

6)申込み、承諾後の死亡、行為能力喪失(97条2項、525条)

・原則:原則として意思表示は効力を妨げられない(97条2項)

・例外:申込者が97条2項とは異なった意思表示をしていたときや、相手方が死亡や行為能力の喪失を知っていたときは、申込みの意思表示は効力を失う(525条)。

 

問題6 

第9回 5.錯誤無効の主張 

内田73 山本2222)表意者が錯誤無効を主張しえない場合(95条但書に当たる場合)

:最判昭和40.6.4民集19-4-924(判例プラクティス97)

表意者に重過失がある場合は、もはや表意者を保護する必要がない。表意者が無効を主張することが許されない以上、表意者でない相手方又は第三者は、無効を主張することを許されるべき理由がないから、無効の主張はできない

 

問題7

第7回 1.2 「第三者」の意義

1)第三者とは:虚偽表示の当事者やその包括承継人(相続人など)以外の者のうち、虚偽表示に基づいて新たな法律上の利害関係を持つに至った者

2)例:

A   ➾   B   ➡   C(第三者)

 

A)目的物の譲受人や目的物について物権を取得した者、抵当権の設定を受けた者

 

第8回 2.2   外観を他人が作り出した場合(外形他人作出型)最判昭和45.9.22民集24-10-1424

【判旨】「およそ、不動産の所有者が、真実その所有権を移転する意思がないのに、他人と通謀してその者に対する虚構の所有権移転登記を経由したときは、右所有者は、民法94条2項により、登記名義人に右不動産の所有権を移転していないことをもって善意の第三者に対抗することをえないが、不実の所有椎移転登記の経由が所有者の不知の間に他人の専断によってされた場合でも、所有者が右不実の登記のされていることを知りながら、これを存続せしめることを明示または黙示に承認していたときは、右94条2項を類推適用し、所有者は、前記の場合と同じく、その後当該不動産について法律上利害関係を有するに至った善意の第三者に対して、登記名義人が所有権を取得していないことをもって対抗することをえないものと解するのが相当である。けだし、不実の登記が真実の所有者の承認のもとに存続せしめられている以上、右承認が登記経由の事前に与えられたか事後に与えられたかによって、登記による所有権帰属の外形に信頼した第三者の保護に差等を設けるべき理由はないからである」。

問題8 

第9回 3.錯誤の理解 2)二元論:伝統的通説・判例

A)錯誤=表示の錯誤

・動機錯誤の場合には民法95条は適用されない。

・95条にいう錯誤ないし要素の錯誤は、原則として表示錯誤にかぎられるとする。

B)動機の錯誤:表示に対応した意思があるので、意思表示を無効とすべき理由がない。

・動機は外部からはわからないので、動機を考慮した場合、相手方の信頼が破られ、取引の安全を害する。

C)動機の錯誤は原則として考慮しないが、例外的に動機が明示的または黙示的に表示されて意思表示の内容になった場合には、民法95条が適用される。

 

第二部

問題9)

第11回 2.強迫の要件 

エッセンシャル民法127 奥田63 山本235

1)強迫とは:他人に畏怖を生じさせ、それによって意思表示をさせること。

2)要件②違法性:強迫行為が、社会観念上許される限度を超えた違法なものであること

・目的、手段の不当性:当該行為の目的と手段の正当性を総合的に考慮して、全体として違法かどうか判断する。目的も手段も正当な場合には、表意者が畏怖を生じ、そのために意思表示をしたとしても、強迫行為の違法性がない。

 

問題10)

第11回 3.強迫の効果 取り消し(96条1項)

・強迫による意思表示は、取り消すことができる(96条1項)。

・取消権が行使されれば、その意思表示は当初から無効となる(121条)

・取消しの効果は、善意の第三者にも対抗できる。

・第三者が強迫を行った場合にも、相手方の知・不知にかかわらず、常に取り消すことができる(詐欺の場合と異なる:96条2項反対解釈)。

→理由:詐欺にかかった者よりも、強迫によって意思表示をした者を強く保護するという考え。

 

問題11)

第10回 5.善意の第三者の保護 

3)第三者はいつまでに利害関係に入ることを要するか

B)17年判決:理由

ア)遡及効で害される取消し前の第三者の保護が必要

①取消前の第三者(C)について:まず、96条3項が第三者の保護を図ったのは、取消しに遡及効があることで第三者が害されるのを防ごうという趣旨であるから、その適用は、当然、遡及効で害される第三者、つまり取消し前の第三者に限られる。

イ)取引の安全

②取消後の第三者(D)に対して:取消権者、つまりAが常に所有権の遡及的復帰を主張しうるとすることは適切でない。登記に公信力のない日本法のもとでは、取引の安全を害することとなる。

ウ)②取消後の第三者(D)との関係

・取消しの時点であたかも所有権の復帰があったかのように扱う

→取消しによっていったんBに移転していた物権がAに復帰し、売買を原因として、BからDに物権が変動するため、Bを起点とするBからA、BからDへの二重譲渡があったのと(類似する関係)同じ

二重譲渡と同じ:⇒対抗問題となる

     

問題12)

第11回 3.強迫の効果 取り消し(96条1項)

・強迫による意思表示は、取り消すことができる(96条1項)。

・取消権が行使されれば、その意思表示は当初から無効となる(121条)

・取消しの効果は、善意の第三者にも対抗できる。

・第三者が強迫を行った場合にも、相手方の知・不知にかかわらず、常に取り消すことができる(詐欺の場合と異なる:96条2項反対解釈)。

→理由:詐欺にかかった者よりも、強迫によって意思表示をした者を強く保護するという考え。

・AB間の契約をAが強迫を理由に取り消した場合には、詐欺の場合のような第三者保護規定がないので(96条3項反対解釈)、Bからの転得者Cは保護されない。ただし、取引の対象が動産である場合には、転得者は即時取得(192条)で保護される

・強迫の程度が強く、表意者が意思決定の自由を全く奪われていた場合には、その意思表示は無効になると解されている。

問題13)

第10回 3.詐欺の効果

3)詐欺と錯誤 内田79C)詐欺と錯誤の双方の要件が充たされる場合

通説:どちらでも選択して主張できる:錯誤の無効は取消しの効果と大きな差はない(錯誤の無効の主張は本人のみからできる)。

詐欺か錯誤か?:➜欺罔行為を主張できるかどうかがポイント

 

第3部

問題14)

第9回 1.錯誤とは 

1.1 錯誤とは:表示行為から推測される意思と表意者の真実の意思とが食い違っており、表意者がそのことを認識していない場合

1.2 95条条文:法律行為の要素に錯誤➡無効(表意者に重大な過失がない場合)

 

問題15)

第10回

4.第三者の詐欺(96条2項) 

1)第三者が詐欺を行った場合

相手方がその事実を知っていたときに限って意思表示を取り消すことができる(96条2項)。

2)理由

相手方がその詐欺の事実を知らないのに、第三者が詐欺をしたからといってその法律行為が無効とされると、相手方に不測の損害を及ぼすこととなる。

 

問題16)

 第3回 3.232 効果(31条)

1)普通失踪の場合は7年間の期間の満了の時に

2)特別失踪の場合は危難が去った時(戦争の事実上の終了時や船舶の沈没時)に

死亡したものとみなされる