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民法Ⅴ(不法行為)/不 法 行 為 法 ― 神谷 遊

《出題意図》

 期末試験問題は、講義において扱った不法行為法にかかわる判例の意義ないし趣旨の理解を問うことをねらいとした。

 大きく問題Ⅰと問題Ⅱから構成され、問題Ⅰは、出題した10の文章のそれぞれについて正誤を問う問題であり、問題Ⅱは、ひとつの説例について二つの小問を設定した論述問題であった。いずれも講義中に扱った重要判例を素材としているが、各判例の結論を知っているかを問うだけではなく、その理由づけ、各判例の意義についての理解度を問うている。

 

《講評》

 前述のとおり、問題Ⅰは、出題した10の文章のそれぞれについて正誤を問う問題であったが、正答率は高く、約77%(10問中7,7問の正解)であった。

 また、問題Ⅱは、前述のとおり、ひとつの説例に関する二つの小問から構成されていた。

 小問(1)は、未成年者による不法行為(生命侵害)をめぐって、その親権者についても損害賠償責任を追及できるかを問うものであった。この問題は、講義で扱った説例Ⅶ-2を素材とするものであり、そこでも引用した最判昭和49・3・22および最判平成18・2.24の意義をいま一度確認してもらいたい。キー・ワードは、「責任能力」であり、その意味内容を理解したうえで、判例は、未成年者が責任能力を有する場合であっても「監督義務者の義務違反と当該未成年者の不法行為によって生じた結果との間に相当因果関係を認めうるときは、監督義務者につき709条に基づく不法行為責任が成立する」としていることを確認してほしい。

 そもそも「責任能力」の意味内容について理解不足であったり、「かりに未成年者に責任能力がなければ」として、単に民法714条の条文をなぞるだけの答案も見られたことは、誠に残念である。

 小問(2)は、被害者即死の不法行為の事案で、被害者の遺族のうち誰がどのような損害について賠償請求をすることができるか、相続構成を採った場合と固有損害構成を採った場合のそれぞれについて分けて論じることを求めた。関係するのは、講義で扱った説例Ⅷ-2およびⅧ-3である。扱うべき論点は多く、相続構成を採った場合の損害賠償の請求権者、その場合の財産的損害の賠償請求、非財産的損害の賠償請求、さらに固有損害構成を採った場合の被侵害法益、賠償請求の請求権者、その場合の財産的損害の賠償請求、非財産的損害の賠償請求について言及する必要がある。

 なお、答案中には民法711条の正確な理解ができておらず、論旨が一貫しないものも見られた。正確な条文の理解と適切な引用が求められる。