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モチベーションの維持と自律

杉本 純子さん

2009年3月法学研究科  博士課程後期  (私法学専攻)退学  日本大学法学部助教

私は、昨年4月から日本大学法学部に助教として赴任し、倒産法の講義を担当しています。同志社大学には学部時代から9年間在籍しました。私が研究者をめざそうと思ったのは比較的遅く、修士課程1年の時でした。4回生の時に倒産法の講義を受けてから、民法を基礎に様々な法律が密接に関係している倒産法に大変興味を持つようになり、もっと勉強してみたいと思ったのがきっかけでした。

研究者をめざす上で私が一番大切だと思うのは、いかに研究へのモチベーションを自分で維持するかということです。これは学生時代だけでなく、研究者になってからも同様だと思います。研究者は研究をして論文を執筆してこそ研究者なのですが、これがなかなか難しいのです。博士課程に進学するとほとんど講義もありませんし、ただひたすら自分の研究に励む毎日です。論文のテーマを見つけ、文献を探して読み、論文を執筆する。この作業を全て自分一人で行わなければなりません。誰も一緒に論文を書いてくれませんし、たとえサボっていても誰も注意をしてくれません。それを博士課程に在籍する間、そして研究者として大学に就職してからも、ずっと一人で続けていかなければならないのです。

そのような中で、投げ出さずに研究を進めていくためには、研究してみたいと思えるようなテーマに出会えるよう常に自分で積極的に視野を広げる努力をすること、そして、自分を追い立てるような人々に出会うことが大切だと私は思っています。

私はどちらかというと、一人で机に向かって勉強するよりも、研究会に参加したり先生や先輩たちと議論したりしながら勉強することの方が好きなので、大学院では色々な講義を聴講し、大学外での研究会にも積極的に参加しました。また、私は専攻が倒産法であり、倒産法は他の分野よりも実務の影響が大きい分野であるため、博士課程2年の時には、約半年間にわたって大阪の二つの法律事務所で倒産実務を勉強させて頂きました。倒産手続について基本書等では既に勉強していましたが、実際に見る倒産事件は勉強してきたものとは大きく違っていました。長年経験を積んでこられた実務家の方でさえ初めて遭遇するような問題に日々直面し、限りある時間の中でそれを検討しながら手続を進めていく、倒産の世界にはまだまだ問題点が山積しているのだと痛感しました。この実務研修を通して得たテーマを基に、私は論文を一本執筆しました。そして、そのテーマは現在も継続して研究しています。研究者である以上、実務に追随するのではなく、あくまで理論的な視点から研究を行うことが必要ですが、私は自分の研究に対するモチベーションを維持し向上させるためにも、実務家の方々と接しながら新しい問題点を勉強することを続けています。

また、大学院時代に研究へのモチベーション維持になったのが、博士課程の同期の存在でした。私の学年は他と比べてかなり同期が多い学年でした。それぞれ専攻は異なっていましたが、研究者になりたいという同じ目標を持って努力している同期を見ると、自然と自分も頑張らなければと追い立てられました。ライバルとまではいきませんが、お互いに切磋琢磨しながら3年間の博士課程を過ごしたように思います。現在も、同じ分野の研究者の先輩方とお会いして議論などをすると、もっと時間を大切にして努力しなければと身が引き締まります。

以上が、私が研究へのモチベーション維持のために心がけていることです。ただ、私は自分に甘い性格で一人で黙々と研究を進めることが苦手なだけで、これが皆さんにとって有益かと言われると自信はありません。しかし、自分の研究を楽しいと思うこと、そう思えるように自分なりの方法で研究へのモチベーションを維持することは、研究者にとって大切なことだと思っています。頑張ってください。

 

『NETWORK法学部2010』より転載