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法曹を目指す皆さんへ

畑佐 幸範さん

2003年3月 法学部法律学科卒業、2007年3月 同志社大学大学院司法研究科修了  弁護士

私は、法学部を卒業後、2005年に同志社大学法科大学院司法研究科既修者コースに入学し、2007年新司法試験に合格しました。早いもので、2012年1月で弁護士4年目に入りました。本稿では、私が弁護士になってから気付いたことや感じたこと、新司法試験に関するアドバイス等をお話ししたいと思います。

私は、司法修習の配属先だった広島において、縁あって就職し、弁護士として色々な案件に関わってきました。大都市圏の大規模事務所の弁護士とは違い、地方在住の弁護士は、通常様々な分野の案件処理を行っています。私も3年間、一般民事事件は当然のこと、債務整理、交通事故、医療過誤、消費者被害関係、離婚や遺産分割、刑事、少年事件、企業法務や労働事件など、多数の案件をこなしてきました。

当然、これらの様々な案件を処理するため、当該分野の専門的知識の習得に努めるなど、日々の研鑽が必要不可欠です。弁護士になって3年が経った今でも、法律相談を受けて初めて目にする特別法があったり、カルテと格闘しながら医療知識を一から勉強したりすることも少なくありません。ただ、目の前にいる依頼者の力になりたいという思いから、私も日々研鑽を重ねているところです。「司法試験合格はゴールではなく、法曹としてのスタートライン」という言葉は、正に的を射ていると思います。

もう1つ弁護士になって気付いたことは、「会話力」が非常に重要だということです。

弁護士の仕事は、法律知識のない人から、経緯や事実関係、どういう解決を求めるか等を聞き取らなければ始まらないため、人から正確に事情や要望を聞き出ついて質問することも当然必要になってきます。また、弁護士が依頼者に説明する場合には、難解な法律用語を使わず、できるだけ平易な言葉で順序よく説明しなければなりません。限られた時間の中で要領よく、わかりやすくポイントを押さえた説明を行う必要がありますが、これは、話し手が本当に理解していなければなかなか難しいものです。

このように、法的知識と「会話力」、この両方が身について初めて、目の前にいる依頼者の役に立つことができるのだと思います。

新司法試験では、法的知識を有していることを前提として、①設題の事情及び法的に意味のある事実の把握、結論として何が聞かれているか、問題の意図がどこにあるか等と、問題文を読み解いていく能力、②限られた紙面と試験時間の中で、ポイントがどこであるか、読み手にわかりやすい文章で順序よく説明し論証していく能力、この2つの能力が求められています。要するに、新司法試験においても、実務に出てから必要な「会話力」が、法的知識とともに備わっているかどうか試されているのだと思います。

ですから、法曹を目指す皆さんも、法的知識の詰め込みだけでなく、勉強仲間と意見交換や答案の読み合わせを行い、「会話力」を身につけていくことを意識しながら日々の勉強に取り組んで下さい。

新司法試験は、たった 5日間で、2~3年間法科大学院で学んだ全ての力を出し切らなければならないという、肉体的・精神的にも非常に過酷な試験です。そういう意味においても、勉強仲間を作り、支え合いながら同じ目標に向かって切磋琢磨することが重要です。「法曹になりたい」という固い決意を持って、これからも頑張って下さい。

 

『NETWORK法学部2012』より転載