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弁護士という仕事

佐藤 怜奈さん

2005年3月 法学部法律学科卒業、2008年3月 同志社大学大学院司法研究科修了  弁護士

私は、同志社大学法学部を卒業した後、同志社大学法科大学院の未修コースに進学・修了し、司法試験、司法修習を経て、現在、東京の法律事務所で弁護士として働いています。ここでは、私が現在の事務所でどのような業務を行っているかをご紹介しながら、弁護士とはどのような職業かについて、私の思うところを少しお話ししたいと思います。既に弁護士を目指されている方や、少しでも法曹の世界にご興味をお持ちの方の参考になれば幸いです。

私が現在所属している事務所は、東京のいわゆる「大手渉外事務所」と呼ばれるところです。「渉外事務所」という言葉に馴染みのない方もいらっしゃるかもしれませんが、国内の案件のみならず、国際的な案件に関する業務も行っている事務所のことをこう呼ぶことがあります。事務所には、現在、約350名の弁護士が所属しています。スタッフや秘書も合わせると700名を超す大所帯となり、その人数からすれば、まるで中小規模の企業のようです。

業務としては、主に企業法務を扱っており、一つの企業が必要とする法的サービスの全てを私たちの事務所だけで提供できるような体制を構築しています。日常業務に関する些細な相談から、従業員との間の労働問題に関する相談、各種の業法や知的財産に関する相談、新しく取引を開始しようとするときの法的助言や契約書の作成、資金調達、証券取引所への上場、他の企業と合併する際の法的サポート等に至るまで、企業が必要とする法的サービスには様々なものがありますが、これらのサービスをそれぞれの分野に強い弁護士がチームを形成し協力し合いながら提供することにより、そのような体制作りを可能にしています。依頼者は、国内の企業であることもありますし、外国の企業であることもあります。また時には、外国の法律やその解釈についての知識が必要となり、海外の法律事務所と協力しながら作業を進めることもあります。その中で、私自身は現在、紛争解決に関する案件に比較的多く携わっています。訴訟において国内外の企業を代理するほか、日本企業を代理して外国企業や外国の政府機関との交渉を行ったり、社内で不祥事等が発覚した場合に第三者の立場で調査を行ったりすることもあります。そのほか、公益活動としての刑事の国選事件や、民事の個人事件なども受任しています。

私がこのような大きな事務所で働いてみようと思った理由としては、まず、尊敬できる弁護士がたくさんいる環境に身を置き、周りから刺激を受けることで自分を成長させたいと思ったことが大きいと思います。

また、日本を代表するような大企業がどのような問題に直面しているのか、その問題に対し弁護士がどのようにサポートしているのかといった最先端のリーガルサービスに触れてみたかったこと、さらに、漠然とではありますが、何か国際的な仕事がしてみたいと思っていたこともあります。実際、今の事務所で仕事を始めてまだ2年余りですが、多くの優秀な先輩方から様々なことを教わり、たくさんの刺激を受けています。また、企業がどのように動き、どのような悩みを抱えているのかがよく分かり、社会情勢についても身近なこととして考えるようになります。そして何より、その企業の担当者から感謝の言葉をいただいたとき、少しでも依頼者の役に立てたと思えるとき、大きな喜びを感じます。

このように書くと、企業を代理する大きな事件の方が、やりがいがあるように聞こえるかもしれませんが、実はそうではありません。一つ一つの案件には、それぞれのドラマがあります。刑事の国選事件や、詐欺の被害者を代理するような個人の事件においても、依頼者の人生に触れ、考え、一緒に悩み、少しでも力添えをすることができれば、その度に、弁護士とはこういうものだという実感が湧き、やりがいを感じます。それは、どんな事件を扱うにせよ、全てが、「弁護士は依頼者に寄り添うもの」という点で共通しているからではないかと思います。そして実は、どんな事件を処理するにも、弁護士として最終的に必要とされるものは共通しているのだと思います。それは、司法試験の勉強や経験で培った法的思考能力、常に正しい法的知識を習得するための努力、そして、依頼者のために全力を尽くそうとする心です。

ここまで取り留めもなく書いてしまいましたが、一口に弁護士といっても、その業務内容は実に様々なものがあること、他方で、弁護士としての必要な能力は共通することがお伝えできていれば幸いです。私は、弁護士の良いところの一つは、自分の生き方を自分なりに切り開いていけるところだと思っています。雇用の流動性が高くなったとはいえ、企業に就職すれば辞めるのはなかなか勇気のいることだと思いますが、弁護士はどこに行っても弁護士であって、必ず誰かの役に立てます。司法試験の合格者が多くなり、法曹界は今、大きく揺れ動いていますが、今後、弁護士が活躍できるフィールドは、その努力次第でどんどん広がっていくと思います。ぜひ頑張って、たくさんの人に法曹の道を目指して欲しいと思います。

 

『NETWORK法学部2012』より転載