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研究者への道ー準備すべきことと研究者の資質ー

三浦 康平さん

2012年3月法学研究科博士課程後期(私法学専攻)退学 駒澤大学法学部専任講師
 
 法学部に入学し、最初に困惑するのは教科書・講義等で使われる日本語の難しさであることが多い(筆者調べ)。理解不能な日本語を使用する教科書、お経のような条文、主語を見失ってしまう裁判所の判決文。それでも、それなりにまじめに勉強するとそのうちそのような日本語に慣れてくる。こうなると勉強が(それなりに)楽しくなる。なんとなく法律学なるものの姿が見えてくる。「AならばBである」という内容の条文があり、 Aに該当するのは何なのか。学説は甲説、乙説があり、判例はこう言っている。どの科目でも大体こんな話になるのだろうと思う。資格試験合格という目標があれば、とりあえずこれらを消化できるようになるまで勉強する。特に目標はないが、それなりに勉強が楽しいという人は、気がつけば別の世界に入っている。何々説が正しく判例はおかしいとかそういうことを自分で考えたりするようになる。あるいは、自説を考えだし、従来の学説・判例はおかしいのではないかと言いだして周囲の人間を困惑させる(迷惑である)。
 学生がそのような世界に入ってしまうのは、教員によるところが大きい(筆者調べ)。条文や判例の教科書的な説明にとどまらず、教科書には通常書かれない法的紛争の社会的背景、さらには、社会問題に対して法律学がどのように取り組んできたかの解釈論・立法論の歴史をも併せて語り、法律学の魅力を語る教員がいる。このような教員の講義に魅せられ、法律学の面白さに目覚める。その中のマイノリティーは、上記の別の世界に入ってしまう。学問(?)それ自体に魅せられてしまうのである。そして研究者になろうと決意する。これこそが人生を賭けるに値する職業である、と思う(錯覚かもしれないのに)。夢を持つのはいいことである。
 夢に対応する現実がある。研究者(普通は大学教員)にはどうすればなれるのか。大学院への進学が一般的なルートである。大学院探しをしなければならない。調べなければならないことはたくさんある。専攻する分野の教員のレベル(引用されるような論文を書いているのか)、図書館のレベル、大学のサポート体制(奨学金に関する情報は重要)、通学環境や家庭の財政事情等々。さらにその先のことも考えなければならない。つまり、「就職」に関することである。それは、大学院に進学したとしてその後生計を立てていけるのか、という話である。専攻ごとに就職状況は様々であるため、自分の希望する専攻について調べる必要がある。専攻が決まると研究テーマを考えなければならない。研究テーマが将来を左右すると言われている(指導教員とよく相談しよう!)。さらに、大学という業界が置かれている状況を考えなければならない。少子化で大学は存続可能なのだろうか。社会科学系学部は大学に必要なのかという批判がある。法学は学問なのだろうか。大学院後期課程まで行った後考え直して進路変更で一般の会社で働くことは可能だろうか(多分現状難しい)。
 考えなければならないことが多すぎる、と思った人はちょっと考えてほしい。大多数の学生の就職活動と同様に、希望する業界の分析をするのは当然ではないだろうか。客観的な数字をみる限り、どう考えても色々難しそうな業界に飛び込もうとするならそれぐらいのりサーチができなくてはまずいのではないだろうか。
 さて、研究者の資質の話であるが…ここまで読んでなお研究者への道を志そうと考えるのであれば、もはや資質の話はここでする必要はないだろう。これについては指導担当者となるであろう教員に聞いてみることだ。
『NETWORK法学部2013』より転載