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地方公務員を目指すみなさんへ

小林 ゆいさん

2014年3月法学研究科博士前期課程公法学専攻修了 神戸市役所

 私は2012年3月に同志社大学法学部法律学科を卒業、同年4月に同志社大学法学研究科に入学し、同年9月に神戸市役所に合格したのち、2013年4月より働き始めました。現在は、区役所のまちづくり課に配属され、地域支援の仕事を担当しています。
 私が地方公務員試験を目指した動機は、好きな街があったからです。街の持つ雰囲気やそこに集まる人に惹かれ、ずっとこの場所に居たい、この街で働きたい、そのためには...と考え出した結論が、地方公務員試験を受験することでした。最終的に、当時あこがれていた街で働くことにはなりませんでしたが、今働いている神戸のまちをとても気に入っていて、この街で働ける喜びを日々感じています。

 

 みなさんは、市役所の仕事にどのようなイメージをもっていますか。パソコンの前に座ってひたすらデスクワーク、ルーティンワークのような市民応対業務をこなす、クレーム対応...、そんなイメージを持つ方もおられるのではないでしょうか?
 私の現在配属されているまちづくり課の仕事には、区民版広報紙の発行、観光資源の山や川を活用した各種イベントや区のまつりや運動会の運営、自治会、婦人会、老人クラブ等の各地縁団体への活動助成やそれら団体による行事開催の運営補助、防犯事業、イノシシ等の害獣駆除など実に多様な業務があります。
 業務内容が多様だということは、裏を返せば、一人ひとりに複数の仕事が任されており、自分の頭で進め方を考え、責任を持って遂行することが求められるということです。よって、仕事の質は自分の能力ややる気に依るところが大きくなります。
 官公庁による受験説明会では、「若いうちから仕事を任せてもらえますか。」という質問をよく耳にしましたが、実際に働いてみた今となっては、そんな心配はしなくても大丈夫だと自信を持ってお答えすることができます。むしろ、今は、仕事を任されるということは、自分の仕事内容によって行政が提供する市民サービスの質が左右されるということで、それゆえ、いつも仕事の相手方である市民の方を思い、緊張感を持って仕事をすることを忘れてはならないことだと感じています。
 なお、業務内容が多様だということは、まちづくり課に限ったことではなく、市役所の仕事全般に言えることで、部署を異動すれば転職したような気持ちになるというコメントをよく聞きます。大体3年ごとに異動があるので、いろいろな仕事を経験したいという人には向いている職業だと思います。

 

 話は変わりますが、私は学生時代、早稲田大学への国内交換留学や、懸賞論文への応募、大学院への進学、企業法務部へのインターン、海外への短期留学や一人旅など、周囲の方のご協力やご厚意のおかげで、様々な経験を得る機会に恵まれました。それぞれの経験が今に活かされていると思いますが、地方公務員の仕事をする上で、経験しておいて良かったと思うのは、大学院への進学です。
 大学院では問題を解決するために、物事を順序立てて考え、妥当な結論を導き、それを文章にまとめ、人に説明するという練習を重ねます。その経験があるので、一から自分で考えなければならない業務に対しても、さほど不安感や抵抗感がありません。また、事務職なので、文章を書く機会も多いのですが、ここにも大学院での経験が活きていると感じています。また、インターンの時に社員の方に教えていただいた「win-win の視点を大切に」ということも、社会に出て働くようになった今、とても大切なことだと感じています。
 逆に学生時代にもっとしておけば良かったと思うのは、いろいろな立場の人と関わりを持つことです。私は、学生時代には、法律を手がかりに人とのつながりを広げていったのですが、社会に出てみると本当に様々な価値観を持つひとが居ることに気づかされました。
 特に、地方公務員は市民の方との距離が近く、自分の仕事に対して市民の方からダイレクトな反応を受けることがよくあります。そのため、相手のニーズを捉えた質の高い市民サービスを提供するために、相手の価値観を踏まえて業務を進める必要があります。経験豊富な上司や先輩と働いていると、いろんな人と関わってきたからこそ、相手の市民の方がどのような価値観を持っているのかを的確に把握できるのではないかと感じています。

 

 長々と述べてきましたが、私は働く前に想像していたよりも、仕事にやりがいを感じ、また楽しく充実した日々を過ごしています。公務員試験の勉強はモチベーションを保つのが難しい瞬間も少なくないと思いますが、そんな中にあって、私の体験が、地方公務員を目指す皆さんが、将来像を想像する際の一助になれば幸いです。

 

『NETWORK法学部2015』より転載