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「正解」とは

西野 亮政さん

2011年3月  法学部法律学科卒業  森永乳業株式会社

「大学を卒業したら何になりたいですか?」と尋ねられて明確に答えられる人は少なく、またそこで答えたものが現実となっている人も一握りだと思います。かくいう私も、法学部に入学した当時に思い描いていた将来像とは全く違う場所に辿り着きました。この場所が果たして「正解」であったのかどうか。それは他の誰にも分からないことです。ただ、私自身が選択し、その結果これでよかったと思えていること、これは事実です。

私に限らず、多くの学生は大学までの学生生活において「正解」は与えられるもの、当然にあるものとして過ごしてきたと思います。しかし、これから大学生活を送る中で、社会に出る前に、「問題」に対して自分自身で解を導き出す力を身につけてもらいたいと強く願います。

私が専攻していたゼミでの手引きの中に、ゼミの目標として「法学部生らしいセンスを身につける」というものがあり、そのセンスの一例として「問題点を見つける力」が挙げられていました。「知識としての法律」を学ぶことも、考えるための土台づくりとして大切です。しかし、大学で「学問としての法律」を学ぶときには、当然そうであるかのように書かれた一文に、なぜ?どうして?と疑問を持つところから始まります。当然だと誰もが信じていることに疑いを持つことから、学問は発展します。これは何も勉学だけに当てはまることではありません。私は学内の合唱サークルで2 年ほど学生指揮者を務めました。組織を運営すると、先例だけでは対処しきれないことが山のように出てきます。また、今まで慣習として存在していたものに疑問を持つようにもなります。そのとき、その問題に対しては自分たちで解を出さなければならないわけです。

4 年間の大学生活の中において、私たちは数え切れないほどの選択をします。どの講義を受講するか、どのクラブ・サークルに入るか、アルバイトに下宿...挙げればきりがありません。そしてこの大学生という時期こそ、最も自由に選択が出来るときではないでしょうか。

企業をめざすにあたって、そこでもまた多くの、そして今後の人生を左右する大きな選択を迫られます。そのときに助けとなったのがこの大学4 年間に自分が行ってきた選択を振り返ることでした。数限りない選択の中には、必ずその人の大切にしている軸があります。本当に悩みに悩み抜いて決めたとき、周りに反対されながらも自分の意志で決めたときに、その軸はよりくっきりと見えてきます。就職活動においては、「学生時代に力を注いだこと」について、もっともよく尋ねられます。それは、その人が残した成果がどれだけ大きなものであるか、素晴らしいものであるかを評価するためではありません。その人が、この大学生活の中でどのような選択をして、どのような解を導き出したのか。そして、社会人としてこれからどんな選択をして、どんな解を導き出していくのか。それを見極めるためなのだと思います。

私が先述の合唱サークルの指揮者の任を受けた最後の決め手は、先輩から言っていただいた「とことん考え抜いたのであれば、そうして選んだものが正解だ」という言葉でした。これからの人生では誰もが同じ「正解」ではなく、自分が「正しい!」と胸を張って 言い切れる選択の解――それがその人にとっての「正解」になるのだと思います。皆さんがこれからの学生生活を送るにあたって、多くの問題に頭を悩ませながらも真剣に選択をし、あなただけの「正解」に辿り着くことを強く願っています。

 

『NETWORK法学部2011』より転載