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新司法試験を目指す皆さんに

多田 真央さん

2007年3月  法学部法律学科卒業  最高裁判所司法研修所新64期司法修習生

私は2007年に同志社大学法学部を卒業後、2008年に同志社大学法科大学院司法研究科既習者コースに入学、2010年に新司法試験に合格しました。現在は金沢で司法修習をしています。司法修習が始まってまだ一月程ですが、今までのような机上の勉強では見えてこなかった実務の世界の息遣いに、胸躍らせる毎日です。まだまだ勉強しなければいけないことは山ほどあり、新司法試験の合格はゴールではなくスタート地点に立ったにすぎないということを再確認しています。

本稿では、法科大学院での過ごし方、司法試験受験に関するアドバイスについてお話したいと思います。将来の進路に、法科大学院及び新司法試験受験を考えている方々の参考になれば幸いです。

新司法試験は、短答式試験(公法系、民事系、刑事系)と論文式試験(公法系、民事系、刑事系、選択科目)で構成されており、両試験の総合評価で合否が決定します。旧司法試験と比べ科目数が増えインプットすべき知識が増えたこと、法科大学院卒業後間もない時点で両試験が同時に行われることから、法科大学院時代にどれだけ新司法試験を意識した勉強ができるかが重要だと思います。

そのため、法科大学院では主体性をもって勉強に臨んでいたただきたいと思います。新司法試験で必要とされる知識は膨大で、法科大学院の授業では全てカヴァーできないことが前提です。そのため、授業に合わせるよりは、自分自身で計画をたてて全体をできるだけ早く回すことが必要だと思います。知識の定着率は確実に反復した回数に比例します。入学したら、授業のための勉強時間とは別に新司法試験のための勉強時間を確保していくことをお勧めします。

更に、各個人が合格までの地図を早めに描くことも重要です。これは、法科大学院で教えられるものではなく、各個人が主体的にしなければなりません。具体的には、まず自己分析及び新司法試験の分析をすることが必要です。これにより、自分の現在の位置とそれに対する合格ラインの位置が分かり、最短のベクトルを引くことができます。そして、その後は、その地図に従い、ひたすら自分に足りない能力を補充するための努力を重ねるのです。必要な素材は基本書でも予備校本でも自分の能力に合ったものであれば、何を選んでも良いと思います。私は、自己分析の結果、論文に書くことを意識した知識のインプットが不十分であることが分かりました。そこで、過去問を通して解き、新司法試験における自分なりの合格答案のイメージを作り、それに合わせた知識のインプットをするように心がけました。

法科大学院では日々授業や課題に追われ、このような俯瞰的な視点を見失うことがあります。しかし、ゴールが何処にあるのかを常に意識して勉強することは、法科大学院の勉強を新司法試験で無駄にせず、活かすためにも必要なものでしょう。

また、法科大学院では、多くの同じ志をもった仲間に出会うことができますので、ゼミや授業で議論を交わしあい、良い刺激を受けることも重要です。私は自主ゼミなどで自分より論文がうまい人の文章構成を真似して合格答案のイメージを作りました。良い仲間との出会いはモチベーションを維持していくためにも必要です。

ある教授が合格者に対し「君たちは三島由紀夫のような特別な才能があるわけではない。法科大学院生なら誰もがしているような普通のことを普通の人以上に普通に頑張った人たちなんだよ」とおっしゃいました。非常に正鵠を得た言葉だと思います。もし、司法試験を高いハードルと感じ、心が折れそうになっても、普通のことを普通の人以上にがんばり続けてください。そのうちに決して超えることが不可能なハードルでは無いことが分かってきます。そして、普通のことを頑張ったという経験は自信となり、皆さんを支えてくれるはずです。頑張ってください!

 

『NETWORK法学部2011』より転載