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張 博一

国際社会における秩序維持

助教 張 博一

<専門分野>国際法
<研究室>光塩館514 Tel 251-3433

プロフィール 

中国長春市生まれ。岡山大学法学部を卒業後、京都大学大学院に進学。京都大学法学研究科助教を経て、2014年に同志社大学法学部に着任。

10歳のときに来日して以来、日本で教育を受けてきたことから、自分とは異なる社会的、言語的、文化的背景をもつ他者や他国の多様な価値観を認め合い、対等な立場でコミュニケーションをはかることの大切さを実感しています。昨今、国家間関係が国民感情に容易に影響を及ぼすことが感じられる一方で、それ以上に国籍を超えた個々人の強い結びつきが不安定な国家間関係を支え、未来を創ると確信しています。学生の皆さんと、授業を通してだけでなく、様々な場で活発に意見を交換できる機会を期待しています。

私の研究

21世紀はグローバル化の時代と言われています。多層化する国際社会において、世界的に広がるテロの脅威、地球温暖化などの気候変動、世界同時金融危機など、「国家」という枠組みでは捉えきれない地球的課題が山積しています。他方で、国際社会においては、いまだに「国家」は主要なアクターであり、国家主権が予見できる将来において消え去ると考えることはできないでしょう。しかし、その「国家」もいまや抽象的な主権国家ではなく、多様な文化を持つそれぞれの「国家」であり、そこには、国家を基軸として形成される文化共同体間の対立があります。

私が研究する国際法は、中央集権的な権威が存在せず、法と政治の交差する国際社会を対象としており、そのなかで「秩序」がどのように形成され、「平和」が如何にして維持されるのかを模索する法分野です。今なお世界各地で発生する地域紛争やテロ行為の背景には、文化的アイデンティティの対立があり、異なる価値体系のなかで信ずる'正義'の衝突があります。世界の 7 人に 1 人が栄養失調と飢餓に苦しんでいる背景には、環境破壊による自然災害、HIV/エイズの蔓延、教育の欠如という負の連鎖が存在します。国際法はこれらの事象を分析し、問題解決の道筋を探索するための重要な指標を提供しています。

とくに、私の研究対象とする国際経済法は、企業や個人が国境を越えて自由に経済活動を行うことを促進することを通して、人々の生活水準の向上を目指すことを目的としており、日常生活と密接に関わっている分野であります。国家間の経済格差の問題や貿易と労働、環境、人権をめぐる対立、国際経済の実情や国内政策との調整の難しさを日々認識しながら、国際社会における秩序がどのように維持され、そこにおける「個人」の幸せが如何に実現されるのかについて今後も研究を進めていきたいと思います。

講義・演習・小クラスについて

今年度は、「リーガル・リサーチ」、「原典講読(イギリスの法と政治)」、「原典講読(中国の法と政治)」を担当します。「リーガル・リサーチ」では、文献の調べ方、レポートの作成手法といった法学部で 4 年間学ぶための基礎を学んでいきます。大学入学以前に学んだ知識や日常生活は、法学固有のものの見方・考え方、表現の仕方に従えばどのように見えてくるのか、法が社会で実際にどのように運営されているのかを裁判例を通して見ていくなかで、学生の皆さんに法律に興味を持ち、その全体像を掴んでもらいたいと思います。「原典講読」では、外国語文献を読解する能力を身につけると共に、その国独自の伝統、文化、社会に関する理解を深め、その上でその法律の特色や政治体制について見ていきます。社会主義体制に基づく中国法、判例法主義を採るイギリス法、これらと日本の法体系の違いを見ていくことで法と社会の関係、そこに潜在する面白さを共有できればと思います。