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川崎 友巳

企業犯罪への刑法上の対応

教授 川崎 友巳

<専門分野>刑事法
<研究室>光塩館418 Tel:(075)251-3616

プロフィール

1969年京都市生まれ。1993年3月に同志社大学法学部を卒業の後、同年4月より同大学大学院法学研究科に進学。1998年度より同志社大学法学部助手、1999年度より専任講師、2002年度より助教授(准教授)、2008年度より教授(その間、2007・2008年度にコロンビア大学ロースクール客員研究員)。

日本刑法学会理事、日本被害者学会理事。

学部生時代の4年間は、体育会少林寺拳法部に所属し、練習に追われる毎日を過ごしていました。

ありきたりですが、趣味は読書。研究の合間や就寝前にSF、ミステリー、ノンフィクションなど法律とは無関係の本を読むことを楽しみにしています。

私の研究

最近、新聞やテレビのニュースに「企業犯罪」という言葉がしばしば使われています。私の研究テーマは、そうした企業犯罪に対して、刑法がいかに対応していけば良いのかを検討することです。具体的には、企業自体に積極的に刑事責任を課すための理論づけが目下の課題です。

現在のわが国では、企業犯罪が発生したとき、その刑事責任は、主として社長、工場長、従業員など企業に所属する個人に対して課されています。しかし、今日の大企業の活動は、複雑な組織構造の中で働く複数の人々によって担われているので、たとえ社長など高い地位の者であっても、個人では企業活動の全てを細部まで把握できないのが現実です。それにもかかわらず、ひとたび企業犯罪が発生した場合には、企業の中の誰か個人に刑事責任を課すというのは適切でしょうか。

さらに企業犯罪の原因は、企業の安全管理システムの不備や組織構造上の欠陥にあると考えられる場合も少なくありません。このような場合には、個人に刑事責任を課すことは不可能です。かといって、誰の刑事責任も問わないというのも、企業犯罪に厳しい対応を望む社会の要請に反します。

そもそも企業犯罪から利益を得ているのは、企業自身です。また、企業犯罪は、個人の力では考えられない重大な被害をもたらします。わが国で過去に発生した公害事件や薬害事件などを思い出して下さい。これらの事件の被害者は、何百人、何千人にも達しました。こうした重大な被害の責任をすべて個人に問うのは不合理ですし、不可能です。もちろん個人にも、それぞれ妥当な範囲で、責任を問う必要はありますが、企業活動にともなう違法行為については、企業自体が中心的な責任を問われるべきでしょう。

現在のわが国の刑法では、このように積極的に企業に対して刑事責任を問うことは困難です。そこで、英米やドイツの企業犯罪に対する刑法の対応を参考にしながら、わが国で企業犯罪の刑事責任を企業自体に課すためには、現行法上どのような問題があり、その問題をいかに解決すれば良いのかを検討しています。

講義・演習・小クラスについて

講義科目では、1年生対象の「刑事手続法概論」を分担するほか、2年生以上対象の「刑法総論Ⅰ・Ⅱ」と「犯罪タイポロジー」を担当します。これらの授業では、みなさんの理解の助けになるように、実際に起こった事件などを例として取り上げたり、平易な言葉遣いをするように心がけたいと思います。2年次演習では、「脳死と臓器移植」、「少年犯罪と少年法」、「裁判員制度」などの刑事法の現代的な課題について取り組みます。3・4年次演習では、刑法総論・刑法各論の重要な判例を素材に、ディベート形式で論点を掘り下げていきたいと考えています。