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坂井 岳夫

社会保障法の理念と解釈

准教授 坂井 岳夫

<専門分野>社会保障法・労働法
<研究室>光塩館518  Tel:(075)251-3073

プロフィール

1979年新潟県生まれ。横浜国立大学経営学部、同志社大学法学部、同志社大学大学院法学研究科を経て現在に至る。

ジョギングをすることで、健康を維持し、体力を保ち、ストレスを発散しています。

私の研究

私たちの日常生活には、さまざまなリスクが潜んでいます。比較的健康に毎日を送ることができるかもしれませんが、大きな怪我をしたり、重い病気に罹ったりする可能性もあります。現役のうちに十分な貯蓄をして安定した老後を送ることができるかもしれませんが、そのような十分な蓄えができないかもしれません。自立した生活が難しくなったときに介護をしてくれる家族がいるかもしれませんが、家族が遠く離れたところに住んでいたり、仕事を持っていたりするために、そのような介護が期待できないこともあります。

これらのリスクに対処するための公的な仕組みが、社会保障です。怪我や病気に対しては、医療保険により、医療サービスが提供され、(会社員には)入院中の所得喪失が填補されます。老後の生活に対しては、年金保険により、年金が支給されます。介護の必要性に対しては、介護保険により、介護サービスに関するサポートがあります。また、これらの制度(社会保険)によっても生活の困窮を防ぐことができない場合には、生活保護(公的扶助)によって生活・医療・教育などについての扶助が行われます。

このような社会保障制度は、私たちの日常生活における不安を取り除き、生活を安定させるために、重要な役割を担っています。日常生活上のリスクに、社会保険料や税金の負担を介して、社会全体あるいは(職業や地域といった)一定の集団内での助け合いという方法で対処していこうというのが、社会保障の仕組みです。もっとも、日常生活上のリスクには、私的な備え(貯蓄や私保険など)や家族間の助け合いによって対処することも可能です。では、社会保障は、どのような人たちのどのようなリスクに対して、どの程度のサポートを行っていくべきなのでしょうか?

まず、社会保険や公的扶助の仕組みを作り上げる際には、生活状況も、経済状況も、そしてリスクに対する態度も異なる多くの人たちの利害を調整することが必要になります。そこでは、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障する憲法25条をはじめとする憲法の条文の意義をいかに解するか、医療保険・年金保険・生活保護などの各制度の趣旨をどう捉えるかといった法の理念についての検討が不可欠です。

また、社会保障制度の運用に当たっても、さまざまな問題が生じます。近時の判例・裁判例に目を向けると、混合診療に医療保険は適用されるのか、企業年金の減額はどのような場合に認められるのかといった問題があります。このような問題は、健康保険法・厚生年金保険法・確定給付企業年金法などの条文の文言、これらの法律の目的や制定過程などに目を配りながら法の解釈を行うことによって解決されます。

私は、このような社会保障をめぐる法の理念と解釈について、研究を行っています。

講義・演習・小クラスについて

「リーガル・リサーチ」・「原典講読」・「社会保障法Ⅰ」・「社会保障法Ⅱ」・「2年次演習」・「3年次演習」・「4年次演習」を担当します。

「原典講読」では、ドイツの社会保障制度に関する文献を、じっくりと時間をかけて読んでいきます。

「社会保障法Ⅰ」・「社会保障法Ⅱ」では、わが国の社会保険制度について概観した上で、重要な法律問題を取り上げて解説を行ないます。

「2年次演習」・「3年次演習」・「4年次演習」では、わが国の社会保障の主要な制度について、受講生による報告と議論によって理解を深めていきます。そこでは、法解釈を行い、法政策を展望するための基礎的なカを身に付けることを目標にしています。