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法的倒産手続と私的整理の間

准教授 金 春

<専門分野>民事訴訟法(倒産処理法)
<研究室>光塩館515  Tel:(075)251-4908

プロフィール

 中国扮瀋陽市の生まれです。
 中国人民大学法学部を卒業した後、瀋陽市地方裁判所にて書記官(裁判官養成課程)として勤務しました。1997年に来日し、京都大学大学院法学研究科修士課程、博士課程、助手を経ております(2006年3月に京都大学法学博士号を取得しております)。2008年4月より大東文化大学法学部専任講師、准教授として勤務し、2013年4月より同志社大学法学部に着任しました。趣味は、海外旅行、美術館巡り、グルメです。

 

私の研究

私の専門は、経済的に危機に陥った企業や個人の債権債務を整理する倒産処理制度(破産法や民事再生法等を中心とした法的倒産手続や裁判外で当事者間の合意によって債務整理を行ういわゆる私的整理等が含まれます)です。中でも、私が近時関心を寄せているテーマは、私的整理と多数決の問題であります。日本における企業を対象とする私的整理は、私的整理ガイドライン、産業再生機構・中小企業再生支援協議会、事業再生ADRの段階的な発展を経て、事業再生ための有効かつ不可欠な枠組みとなっております。これらの私的整理の枠組みは、専門性・中立性を公的に承認された機関が手続実施主体として加わっており、かつ、手続の準則ないしその効果等について一定の法的根拠が与えられている点で、従来の純粋な私的整理と区別して制度化された私的整理と呼ばれています。

制度化された私的整理の代表といえる事業再生ADRとの関係で近時議論となっているのが、同手続の枠内で多数決よって権利変更を図ることの可能性の有無であります。すなわち、関係金融機関債権者全員の同意によってのみ権利変更が許される現在の枠組みに代えて、これら債権者集団の多数決と、例えば裁判所による認可を組み合わせる形で債権者の権利変更を図ることができるか否かであります。事業再生ADRはそこそこ利用されているものの、ある程度進んでいた事業再生ADRが少数債権者の反対によって途中で頓挫した事例も多く、より抜本的な措置が必要とされているからであります。もっとも、日本ではこれまで、純粋私的整理であれ制度化された私的整理であれ、全ての債権者が合意する全員一致によって債務整理が成立することは私的整理と法的倒産手続の本質的な差異とされてきました。したがって、事業再生ADRにおける多数決の導入はこれまでの考え方を根本的に変えるものであり、検討すべき理論的課題は実に多いですが、検討の前提として諸外国法制度の比較的考察が必要不可欠となります。そこで、私の研究は、同分野で制度化が進んでいるオーストラリア法の考察を通じて、日本における関連問題を考える上で何らかの糸口となるものを見つけることを試みるものであります。

講義・ゼミについて

本年度は、春学期は前年度に続いてオーストラリア・メルポルン大学ロースクールにて在外研究させていただいておりますので、講義等は担当しておりません。秋学期は、大講義として「倒産処理法Ⅱ(民事再生法・会社更生法)」を担当させていただきます。また、「文献研究(英語)―英米の企業及び個人倒産法」、「二年次演習―倒産法」及び「特殊講義」をも担当させていただきますので、皆様と授業でお目にかかることを楽しみにしております。