Doshisha University
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西澤 由隆 

キーワードは「信頼」

教授 西澤 由隆

E-mail: nishizawa@mail.doshisha.ac.jp
ホームページ: http://ynishiza.doshisha.ac.jp/
<専門分野>投票行動・計量政治
<研究室>光塩館402  Tel:(075)251-3597

プロフィール

同志社大学・法学部を卒業(1981)してから、エール大学の大学院(政治学)で学ぶ(1981-88)。帰国後、明治学院大学に就職し、政治心理学などを担当(89-97)。そして、1997年に同志社大学に入社。趣味はテニスと写真撮影。

私の研究

世界の民主主義諸国は、一つの大きなパズルに直面している。世界の各地で加速度的に民主化が進む中で、欧米や日本のような成熟した民主主義国ではその統治能力の危機がさけばれている。新興の民主主義諸国にしてみれば、民主化をよりいっそう進めたいのだが、自信喪失中の先進民主主義国をお手本にするわけにはいかないのである。「民主主義が健全に機能するための条件は何か」という政治学の古典的な問が、新しい疑問として今、改めて問い直されていると言える。このパズルに対して、私なりのヒントを提供するのが研究者としての課題である。

そのような立場で、市民の政治参加についてこれまでは考えてきた。民主主義の基本は、市民参加であるにもかかわらず、先進民主主義諸国での投票率が低迷している。「危機」の具体的な指標の一つである。では、政治参加のレベルを維持するために、どのような処方箋が考えられるか。私は、有権者は基本的には合理的で、政治参加がそれなりに有効であることを有権者が承知すれば、積極的にそれを利用するようになると考えている。問題は、「参加」と「政治」とのリンクを明確にすることである。

さらに最近は、人間関係における「信頼」の役割について関心を寄せている。政治に積極的に関わる市民が育つには、その人たちのおかれている人間関係が「信頼」に根ざしたものでなければならないと主張する政治学者がある。政治活動の「効果」は、即効性を持つものばかりではない。つまり、自分の時間を犠牲にして政治行動を起こしても、その報いがにわかに自分に返ってくるとは限らない。そんなとき、「自分は馬鹿を見ない」と信じられるか、つまり、他人を信頼できるかどうかが鍵となる。

このようなパズルに答えるために、世論調査データを私は利用する。科学的な理論に基づいた世論調査は、有権者の「心」をかなり適切にあぶり出してくれる。政治学の多くが政治エリートを分析対象とするが、私は、有権者の「ことば」を手がかりに研究をしている。

講義の進め方

教室でのキーワードも「信頼」である。教師と学生が信頼関係で結ばれていることが、教育の大前提だと思う。そのために、学生一人一人との直接の対話を大切にしたいと考えている。

ゼミはもちろんのこと、講義科目でも、学生諸君が主体的に参加できる工夫を心がけている。授業は、原則、60分ぶんしか用意しない。残りは質疑応答に当てる。また、ゲームやシミュレーションも予定している。一緒に考え、一緒に授業を創っていく。大学の授業の楽しいところだ。

ゼミ生の一言

私にとって西澤ゼミは、自分を人間的に成長させてくれる場所です。知識を深め、自分で考え、人にわかりやすく伝えられるように努力することは、私がゼミで学んできた2年半の中で最も大切にしてきたことです。

西澤先生はよく、ゼミの最中に「小学生の太郎くんにもわかるように話しなさい」とおっしゃいます。自分の意見や研究を分かりやすく誰かに伝えることは、簡単なように思えて実は非常に難しいことです。難しいことをわかりやすく話すことは、自分の理解が浅いとできませんし、相手への思いやりが必要なコミュニケーションです。このようなトレーニングの機会を根気強く用意してくださる西澤先生や、思いを汲み取ろうとしてくれるゼミの仲間のおかげで、大学を卒業した後にも生かすことができるとても大切な力を身につけることができました。

そして、西澤ゼミの仲間たちは、個性的で自身の軸をしっかり持った人たちばかりです。学年を問わず、仲間からうける刺激は自分をとても成長させてくれます。楽しいことばかりとはいかないゼミ活動ですが、大変なことも助け合って頑張ってこられたことは、私の財産になると思います。

(西澤ゼミ4年 豊島由梨佳)