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法律学科

コモン・ローとインド

准教授 比嘉 義秀

専門分野 西洋法史、インド法
研究室 光塩館513
TEL (075)251-3565
  業績リスト
比嘉 義秀

私の研究

日本が明治維新を迎えて近代西洋法を導入していたころ、世界には様々な形で西洋法が広がっていきました。日本が属するとされる大陸法系と並んで世界の二大法系をなしている英米法系は、旧英領植民地が大半を構成しており、独立以降もこれらの国々の法は母法と共に相互に影響を与えながら発展を続けています。しかしその基礎になっているイングランド法は長い歴史の中で独自の発展を遂げながら形成されてきたものであり、一見すると不思議に思われるような仕組みも数多く存在しています。加えてイギリスの海外への発展に伴って法の伝播が生じていた時代はイングランド法自体も大きく変化を遂げた時代であり、その過程では植民地における法の発展も母法に対して影響を及ぼしていました。私は、このような相互作用を伴いながらイングランド法独自の制度が世界に拡散しコモン・ロー世界が形成されていく具体的な過程を明らかにすることに関心を持っています。

その中でも特に研究対象にして来たのがインドです。英領インドでは19 世紀の間に英印法典(Anglo-Indian Codes)と呼ばれる諸法律が制定されました。これらはイングランド法を基礎とした法典であり、インド以外の植民地各国でも用いられてコモン・ロー世界の形成に大きな役割を果たしました。私の研究ではこれらの諸法律の制定に関わる史料や判例などを用いながら、イングランド法とインド法双方の視点から諸制度と諸概念の受容と変容のあり様を観察しています。

講義・演習・小クラスについて

法学部における講義としては、春学期には新入生を対象とする「リーガル・リサーチ」および3 年次以上を対象とする「西洋法史II」「文献研究(英語)」を担当します。今年度の「西洋法史II」の講義ではイングランド法史を勉強する予定です。日本法にも影響を与えている英米法の諸制度や、イングランド法特有の仕組みが歴史の中で徐々に形作られていく過程を学ぶことは、普段の日本法の学習にとっても新鮮な刺激になるのではないかと思います。

秋学期には2 年次以上を対象とする「西洋法史I」および3 年次以上を対象とする「文献研究(英語)」を担当します。「西洋法史I」では古代ローマから近代に至るまでのヨーロッパ諸国の法の歴史の基本的な事項を勉強します。「文献研究(英語)」では文献の精確な読解に加えて、専門的な法律英語にもある程度慣れていただけるように配慮をしたいと思っています。

演習では参加者の希望も募りながら法制史関連の基本的な文献を講読します。

いずれの講義・演習でも参加者の方がご自身の関心・必要に基づいて今後勉強される際の助けになるようなものを提供できるように努めたいと思います。

プロフィール

三重県桑名市生まれ。
東京大学法学部、同大学院修士課程、同助教の後、デリー大学大学院にて在外研究(Ph.D.)。
2021年度から同志社大学法学部に着任(西洋法史担当)。