同志社大学 法学部・法学研究科

日本の外交と安全保障

教授 兼原 信克

兼原 信克
専門分野国際政治学、安全保障論、外交史
研究室光塩館514
TEL(075)251-3433
E-mailnkanehar@mail.doshisha.ac.jp

私の研究

 私の研究関心は、大きく二つあります。第一の問題意識は、日本の安全保障政策の形成過程を、国民、国会、総理官邸、外務省、防衛省、自衛隊,ジャーナリズムなどの相互関係から多面的に理解することです。特に、シビリアンコントロールの観点から、国家安全保障会議及び国家安全保障局の役割に注目します。また、国家安全保障戦略の基本的組み立て方について、外交戦略とは何か、防衛戦略とは何か、それをどう組み合わせるのかを、米国や戦前の日本と比較しながら研究します。さらに、今日の日本の戦略環境の中で、日本の国家安全保障戦略はどうあるべきかを実際に考えていきます。国家の安全、繁栄、価値観を守る方策を考えます。その上で、日米同盟管理、対中政策、対露政策、対韓政策、対北朝鮮政策、対中東政策など具体的政策について検討します。また、今日の安全保障の重要課題である危機対処、宇宙、サイバー、人工知能問題がもたらす影響について考えます。
 第二の問題意識は、戦前の日本外交がなぜ大きな失敗をしたのか、その政策的、制度的原因を考えます。特に、1930年代以降、外務省と陸海軍の調整がとれなくなり、国家の最高意思決定過程が空中分解する様子を研究し、シビリアンコントロールの重要性を考えます。同時に、二十世紀の後半になって地球的規模で広がりを見せた自由、平等、民主主義、民族自決、人種差別撤廃法の支配といった普遍的価値観の登場をどうして日本が待つことができなかったのか。それらの普遍的価値観は、どのようにして日本の外側で普遍性を獲得して行ったのかを考えます。フランス革命やアメリカ独立革命などの先進国側の政治思想の広がりだけではなく、ガンジーのインド独立、キング牧師の公民権運動、マンデラのアパルトヘイト撤廃など、差別を克服した側の人々の活動にも焦点を当てて考えます。

講義・演習・小クラスについて

 一方的に授業をするのではなく、出来るだけ一緒に考える対話形式にしたいと考えています。また、薦めることのできる図書があれば、一緒に読後の感想なども話すことができると良いと思います。

プロフィール

 1959年、山口県で生まれる。東大法学部卒業後、外務省入省。国際法、安全保障、ロシア(領土問題)が専門分野。条約局法規課長(現国際法課長)、北米局日米安全保障条約課長、総合政策局総務課長、欧州局参事官、国際法局長を歴任。国外では欧州連合、国際連合、米国、韓国の大使館や政府代表部に勤務。第二次安倍政権で、内閣官房副長官補(外政担当)、国家安全保障局次長を務める。2019年退官。趣味は、読書とオペラ、クラシック鑑賞。