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学部長・研究科長

同志社大学法学部・法学研究科へ、ようこそ。

ご挨拶

法学部長・法学研究科長 法学部長・法学研究科長 川崎 友巳

 法学部で学ぶ法学や政治学は、皆さんが大学の4年間をかけて学ぶだけの価値のある学問分野です。もちろん、その理由は、法学や政治学に関する高度な専門知識が、資格試験や公務員試験を受験する人たちにとって役立つからですし、広く社会人にとって、兼ね備えておくべき素養として要求されているからでもあります。ただ、それ以上に重要なのが、法学と政治学が、「考える力」の養成にとって優れているということです。

 ここでいう「考える力」とは、皆さんが、前例のない問題に直面した際に、その問題の本質を見抜き、その解決策を見出し、さらに、その解決策を講じるため、周囲の人たちにその策を説明する能力のことです。これまでの日本は、何か問題に直面したときに、「今まで、こうしてきたから、今回も」という思考で解決を図ってきました。ところが、これからの時代は、そうした前例踏襲主義では太刀打ちできなくなりそうなのです。

 オックスフォード大学工学部のマイケル・オズボーン教授は、2014年に、「今後、10~20年のうちに、今存在する職業の47%をAIが取って代われるようになる」との予測を発表し、世界中に衝撃を与えました。皆さんが生きているのは、まさに、その「10~20年」後の世界です。最近のAI技術の進化を目の当たりにすると、オズボーン教授の予測はあながち誤りとはいえないでしょう。しかも、AIは、半分近くの職業を代替できるだけでなく、自動車の自動運転や多言語の同時翻訳(通訳)を実現させ、新型コロナウイルスのワクチンをはじめとする新薬の開発でも大きな役割を果たすなど、個人のライフスタイルや社会の構造に大きな変革をもたらしつつあります。これからの時代、今までの常識は必ずしも通用しませんし、きっと私たちが予想だにしていない未知の問題が浮上してくるでしょう。そうしたときに、適切な解決への処方箋を書ける力こそが、皆さんに求められているのです。そして、「社会は、こうあるべきだ」という理想と「でも実際はこうなっている」という現実の間で葛藤しながら、社会が抱える様々な課題への対応を検討する法学や政治学は、そうした力を養うのにうってつけの「道具」なのです。

 とりわけ同志社大学の法学部は、法学や政治学を基礎から段階的に学べるように、体系的なステップアップ方式のカリキュラムを提供しています。また、「考える力」を身につけた皆さんが、専門的な職業に就き、社会で活躍できるよう、キャリア設計につながるプログラム(法曹養成プログラム、企業法務プロフェッショナル育成プログラム)も用意しています。こうした充実した環境の中で、皆さんが、未来を切り開く「考える力」を身につけるために実りある学生生活を送ってくれることを願っています。