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法律学科
中国法の歴史と裁判の在り方
助教 木下 慎梧 KINOSHITA Shingo, Assistant Professor
専門分野 | 東洋法史
Asian Legal History |
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研究室 | 光塩館427 |
TEL | (075)251-3624 |
skinoshi■mail.doshisha.ac.jp ※■は@に置き換えてください。 |
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業績リスト
List of Research Achievements |
私の研究
私の専門は、法を歴史的側面から探求する法史(法制史)という学問領域の中で、中国などのアジア地域を対象にした東洋法史と呼ばれる分野です。現在の世界では、主としてドイツ・フランス・英国を中心とする西ヨーロッパ由来の法が広く用いられており(ヨーロッパではありませんが、米国を含める場合もあります)、今の日本にいる我々が用いている法も、明治時代以降にそうした西洋諸国の法をモデルとして形作られてきたものです。しかしながら、中国においては古くからヨーロッパとは大きく異なる形で法が発展し、20世紀の初めまでそうした独自の世界を築き上げていました。近代以前には東アジア諸国の法に大きな影響を与えており、日本も奈良時代~平安時代初期における律令制度や江戸時代における幕府の法制改革、明治時代初期の法などを通じてその影響を受けています。
私は、こうした独自に発展を遂げて日本などへも大きな影響を与えた法体系が、具体的にどのような形で運用されていたのかという点に関心を持ってきました。そこで、中国最後の王朝である清朝の時代に注目し、裁判手続や実務の在り方の解明を目指して、当時の官僚達が残した裁判に関する公的・私的両面の記録などに基づいて研究を進めています。
講義・演習・小クラスについて
今年度の法学部においては、春学期の「東洋法史Ⅰ」「特殊講義B(中国の近現代法)」「リーガル・リサーチ」、秋学期の「東洋法史Ⅱ」「2年次演習(東洋法史)」「法学文献研究(英語)」を担当します。「東洋法史Ⅰ・Ⅱ」「特殊講義B」では、必ずしも広くは知られていない中国法の世界について、歴史的側面を踏まえつつ、その特徴や現代日本法との違いについて概説的な話をします。
「2年次演習」「法学文献研究」では、近代以前の中国法に関する文献を講読し、その中身をじっくりと詳しく見ていきます。
「リーガル・リサーチ」では、新入生を対象として、講義や受講生による報告・レポート作成といった取り組みを通じ、法学の学習方法を身に付けていきます。
着任したばかりで緊張していますが、多くの学生の皆さんにとっては馴染みの薄いであろう内容に対して、少しでも興味を持ってもらえるような授業ができればと考えています。
プロフィール
1991年生まれ。三重県松阪市出身。金沢大学人間社会学域法学類、同大学院人間社会環境研究科(法学政治学専攻)博士前期課程、中国北京市の清華大学法学院における在外研究を経て、京都大学大学院法学研究科(法政理論専攻)博士後期課程を修了。
同研究科特定助教、日本学術振興会特別研究員を務めた後、2025年4月に同志社大学法学部へ着任。