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法律学科

二重の危険の原則の研究

准教授 佐藤 由梨  SATO Yuri, Associate Professor

専門分野 刑事訴訟法
Criminal procedure, Criminal Justice
研究室 光塩館511
  業績リスト
List of Research Achievements
助教 佐藤 由梨

私の研究

みなさんは、二重の危険の原則という言葉を耳にしたことはありますか。二重の危険の原則とは、一度無罪または有罪の判決が言い渡された場合は、それと同一の事件について再び審理することは許されないというルールを言います。この原則は絶対的であり、たとえ無罪判決後に、有罪であることを証明する証拠が発見されたとしても、再審することは認められません(これに対して、有罪判決が確定した後に、無罪であることを証明する証拠が発見された場合の再審は認められています。)。

ところが、2003年以降、イギリスをはじめとする一部の国で、無罪判決後に有罪であることを証明する新たな証拠が発見された場合に、無罪を言い渡された人を同一事件について再審することを認めるという法改正がなされました。その背景には、DNA鑑定等の科学捜査技術の発達により、最初の裁判時には獲得できなかった証拠を後に利用できるようになったことがあります。また、犯罪の被害者やその遺族からすれば、無罪になった者が真犯人であることを証明する新証拠が発見されたにもかかわらず、真実を明らかにするための再審ができないことには納得がいかないでしょう。こうした被害者遺族が法改正のための運動を展開したことも、法改正の要因の一つと考えられています。

その一方で、忘れてはならないことは、無罪を言い渡された人の多くは罪を犯していない無実の人であるということです。新証拠が発見されたことを理由に、無罪となった人の再審を認める法改正は、こうした無実の人までも再審の危険に巻き込み、場合によっては冤罪を生むことになりかねません。だからこそ、二重の危険の原則は、無罪判決後の再審を禁止し、一度刑事手続の苦痛を経験した被告人を手続から解放してきたのです。

私の研究は、二重の危険の原則に関する海外の動向について、どのような理論によって無罪判決後の再審が許容されているのかを分析し、そうした分析を踏まえて、日本においては、二重の危険の原則をどのように理解していくべきであるのかについて問い直すことです。

講義・演習・小クラスについて

講義科目は、春学期に「犯罪対策各論」、秋学期に「刑事手続法概論」を担当します。「犯罪対策各論」では、少年犯罪や薬物犯罪、犯罪被害者の支援などの刑事政策上の各論的問題について学びます。「刑事手続法概論」では、日本の刑事司法システムを手続の流れに沿って俯瞰し、手続の概要と基本的な原理・原則を学びます。犯罪やそれを処理するための手続には馴染みがないと思いますが、実際の事件を例に挙げながら、皆さんが刑事訴訟法への理解を深められるよう努めたいと思います。

演習科目は、「2年次演習」、「3年次演習」を担当します。刑事訴訟法や少年法に関する判例や重要論点をグループワークやディベート等を通して学んでいきましょう。

プロフィール

大阪府出身。
2013年3月同志社大学法学部卒業後、同年4月同大学大学院法学研究科へ進学。2018年度より同志社大学法学部助教、2021年より准教授。

趣味は絵画鑑賞と写真撮影です。近場で開催される展覧会はもちろん、旅行先の美術館に足を運ぶのも好きです。写真撮影の方は、人と会う機会が少ないので、風景ばかり撮っています。