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法律学科
国際関係私法の研究
教授 高杉 直 TAKASUGI Naoshi, Professor
専門分野 | 国際私法
Private International Law |
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研究室 | 光塩館412 |
TEL | (075)251-3909 |
私の研究
国によって法の内容は異なります(同性婚・一夫多妻制・ 離婚禁止、英米法諸国の契約法、米国の民事裁判における ディスカバリー・陪審など)。そのため、国際結婚や国際取 引など、日本だけでなく外国にも関連する事案(渉外事案) では、常に日本の法律が適用されるとは限りません。日本 の裁判所が外国の法律を適用することもあります。どの国 の法律が適用されるのかを定める基準、つまり渉外事案に 適用されるべき法を決定する法が「国際私法」です。渉外事案の法規律の方法としては、国際私法の他に、予め国際的に統一した私法を作成して直接に適用する方法(統 一私法)もあり得ます。特に予見可能性が重視される国際取引に関連する分野で、一定の統一私法が既に存在します。これらは、「国際取引法」の主要な研究対象とされています。
さらに、渉外事案については、常に日本の裁判所で裁判が行われるとは限りません。手続法上も特別な問題が生じます。これらは「国際民事手続法」の研究対象です。
以上の「国際私法、国際取引法および国際民事手続法」(=国際関係私法)が、私の主たる研究分野です。
最近では、アジア地域の国際関係私法の統一を目指す研究、国際商事仲裁や国際商事調停の研究に力を入れています(日本だけでなく世界各国の研究者・実務家と共同研究を行っています)。また、同志社大学を本拠として設置され た「京都国際調停センター(JIMC-Kyoto)」や、その運営主体である「日本仲裁人協会(JAA)」などにおいて国際的に活動する弁護士(国際弁護士)と共同で、日本における 国際仲裁・国際調停の活性化のための研究を行っています。
講義・演習・小クラスについて
講義の基本方針は、「頑張れば必ず報われる」です。期末の筆記試験だけでなく、質疑応答やレポート(提出自由) などの平常点も考慮して成績評価を行ないますので、日常 から頑張って学習していれば、平常点だけでも良い成績が取れます(逆に、種々の事情で普段は頑張ることができなかった人も、筆記試験で良い結果を出せば、たとえ平常点がゼロでも良い成績が取れます)。講義では、米国やEUなどの諸外国の国際関係私法(日本語での資料を配布します)と比較しながら、日本の国際関係私法についての理解を深めることを試みます。特に、外国と日本とで異なる点に焦点をあてて、相違の原因は何かということを一緒に考えます(「違い」を見つけてその理由を探ることが学問的に面白い点です!)。
ゼミについて
ゼミの基本方針は、「楽しく一緒に学問」です。国際関係 私法上の問題について、グループ・ワーク形式で、調査・検討・報告を行います。希望に応じて、チーム対戦という形式も用います。最終的には卒業論文(ゼミ論文)の執筆を目指します。ゼミ生の希望に応じて、各種イベントにも積極的に参加したいと考えています。3年ゼミは、例年、ゼミ旅行を兼ねて、福岡での合同ゼミ(日本各地の大学の国際私法ゼミ が集まる討論会)に参加しています。ゼミ生の希望に応じて、 懇親会・ゼミ旅行なども適度に実施する予定です(任意参加)。過去の4年ゼミ旅行としては、白浜、金沢などの国内のほか、ソウル、ロンドン、イタリアなどの海外に行った こともあります(すべてゼミ生の希望によるものです)。
昨年は、ゼミ創立20周年記念会を開催しました。国内外から多数のOBOGが参加してくれました(専門性を活か して、大学教員、国際弁護士、企業の法務部員、総合商社や外国企業の職員等として国内外で活躍しているOBOGが比較的多いのが本ゼミの特徴かと思います)。