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法律学科
複合契約と契約法の基礎理論
准教授 渡邊 貴 WATANABE Takashi, Associate Professor
| 専門分野 | 民法
Civil Law |
|---|---|
| 研究室 | 光塩館528 |
| 業績リスト List of Research Achievements |
私の研究
私は、民法、とりわけ契約法の研究をしています。契約は私たちの日常生活にもあふれており、我々の経済活動を支えるためになくてはならない重要な制度です。もっとも、こうした契約制度をどういったものとして捉えるべきなのかという問題は、契約がこれだけ身近な存在であるにもかかわらず、多様な理解がありえ、場所や時代を超えて様々な見方が示されてきました。そして、こうした多様な姿をもつ契約に対する法ルールの総体である契約法のあり方もまた、千差万別であります。このような契約ないし契約法のダイナミズムに触発されつつ、私自身は研究活動をスタートさせた当初から現在に至るまで、一定の目的のために関連しあった複数の契約からなる取引関係(複合契約)に適用されるべき法ルールのあり方の問題に関心を寄せてきました。一方で、取引関係が複雑化している現代社会においては、一定の目的のために複数の契約が結ばれるということが少なくないため、こうした問題関心は現実に生じている実践的な問題の解決のあり方にも深く関わっています。しかし他方で、上記の問題は、複数の契約からなる取引関係というときの「複数」とか「契約」とはそもそも何を意味するのか、「契約」における「目的」や「意思」の位置づけをどのように捉えるべきなのか、といった「契約」概念に関する基礎的な問題とも深く結びついています。難しい問題なので、いまだ満足のいく答えの端緒にすら辿りついていない、というのが 現状ですが、ゆくゆくは、古今東西の様々な契約・契約法観に触れながら、複数の契約からなる取引関係に適用されるべき法ルールのあり方の問題を一つの素材として、契約ないし契約法のあるべき姿の一端を捉えてみたい、というのが私の研究上の目標です。
講義・演習・小クラスについて
本年度は、「民法Ⅰa(総則①)」、「民法Ⅲa(債権総論①)」、「2年次演習(民法)」、「3年次演習(民法)」等のほか、他の民法の先生と一緒に「民法概論」の一部を担当する予定です。講義科目では、法ルールの内容を私の方から一方的にお伝えすることが中心になると思いますが、その際には、論理のステップを飛ばさずに、基礎的な内容から丁寧に授業を進めていきたいと考えています。
これに対して、演習・小クラス科目では、事例問題ないし現代的なトピックを素材として、参加者全員での議論を主軸とした授業を実践していきたいと思っています。そうした議論を行うことを通じて、これまでに講義科目で勉強してきた法ルールを使えるようになることを目指すということはもちろんですが、それにとどまらず、法ルールの背後には多様な価値観や考え方がありうること、講義や教科書で学んだ当然のように思われる事柄にも実は疑問を向ける余地があることなどを体感してもらうことが目的です。
様々なバックグラウンドを持った人々が多様な観点から発言・議論をすることによって、毎回の演習で各参加者が、ほんのわずかでも新たな知見を得られた、と感じられるようなクラスとなることを目指したいと考えています。
プロフィール
東京都目黒区出身。慶應義塾大学法学部法律学科卒業後、慶應義塾大学大学院法学研究科に進学。
同大学院単位取得退学後、帝京大学法学部法律学科助教、岡山大学法学部・大学院社会文化科学研究科専任講師を経て、2026年4月より現職。