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政治学科

戦後日本の東南アジア外交

助教 中西 友汰  NAKANISHI Yuta, Assistant Professor

専門分野 戦後日本外交史
Diplomatic History of Post-war Japan
研究室 光塩館315
TEL (075)251-3516
業績リスト
List of Research Achievements
助教 中西 友汰

私の研究

私の専門分野は戦後日本外交、佐藤栄作政権期(1964-1972年)の東南アジア外交を研究しています。私は、①なぜ首相やブレーン(政治家を支える有識者)が東南アジア外交の展開を推進したのか、②首相・ブレーン・外務省との間にどのような相互作用が存在したのか、という点に注目して研究してきました。

この時期、東南アジア地域ではマレーシア紛争やベトナム戦争といった地域紛争、先進国と開発途上国との経済格差に起因する南北問題への地域諸国の関心の高まりといった地域情勢がありました。一方で日本国内でもナショナリズムの高まりを背景としてアジアの一員である日本が東南アジア外交を積極化させることを求める世論が存在していました。このような国内外情勢に加えて、佐藤政権は沖縄返還問題や日米安全保障条約の自動延長問題といった政治課題を抱えていました。私は日本政府やアメリカ政府が保存している公文書、当時の政治家や周辺人物が残した個人文書などを分析することにより、佐藤政権の東南アジア外交が佐藤・ブレーン・外務省との相互作用によって形成されたことを明らかにしました。

今後の研究は佐藤政権以降の日本の東南アジア外交を研究することを考えています。
①田中角栄政権‒福田赳夫政権期:佐藤を支えたブレーンは佐藤政権終焉後に自民党有力政治家である福田の政策検討を支えました。このような福田とブレーンの東南アジア外交構想に注目し、外務省との関係、アメリカの東南アジア政策を踏まえつつ、佐藤外交をどのように継承・発展させたのか、という点を研究する予定です。
②中曽根康弘政権期:福田政権後、福田ブレーンは安倍晋太郎(安倍晋三元首相の父親)を支える活動をしました。安部が中曽根政権期に外務大臣に就任すると、ブレーンは外交政策検討に関与しました。安部とブレーンの東南アジア外交への関与について研究する予定です。

これまでの研究成果は以下の通りです。
①「佐藤政権初期の東南アジア外交―第1 回東南アジア開発閣僚会議開催過程を中心に」(『同志社法學』72(6)、2021年1月)179-236頁。
②「佐藤政権末期の東南アジア外交―国際関係懇談会の役割に注目して」(『同志社法學』75(6)2023年12月)89-123頁。
③「官邸における東南アジア外交の模索―佐藤栄作総理の1967年東南アジア・大洋州諸国歴訪と訪米」(『国際政治』(212)2024年3月)49-64頁。④「佐藤官邸における東南アジア外交と政治課題―70年安保問題、ポスト・ヴィエトナム、ポスト・沖縄をめぐる議論に注目して」『Roles Review』(6)2024年12月)1-22頁。

講義・演習・小クラスについて

私の担当する授業は、「政治学入門」、「政治学基礎A、B」、「読売新聞寄付講座」、「政治学」です。

「政治学入門」、「政治学基礎A・B」では大学生として身につける必要がある基礎的知識・技能を取り上げます。
「政治学」では国際政治・外交史の観点から授業を行います。

プロフィール

1996年生まれ、北海道札幌市生まれ、京都府京田辺市育ち。
2018年3月、龍谷大学法学部法律学科卒業。
2025年3月、同志社大学大学院法学研究科博士後期課程修了。博士(政治学)。
2025年4月、同志社大学法学部助教に着任。