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政治学科
キーワードは「信頼」
教授 西澤 由隆 NISHIZAWA Yoshitaka, Professor
| 専門分野 | 投票行動・計量政治
Public Opinion, Voting Behavior |
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| 研究室 | 光塩館402 |
| nishizawa■mail.doshisha.ac.jp ※■は@に置き換えてください。 |
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| ホームページ | |
| 業績リスト
List of Research Achievements |
私の研究
世界の民主主義諸国は、一つの大きなパズルに直面している。世界の各地で加速度的に民主化が進む中で、欧米や日本のような成熟した民主主義国ではその統治能力の危機がさけばれている。新興の民主主義諸国にしてみれば、民主化をよりいっそう進めたいのだが、自信喪失中の先進民主主義国をお手本にするわけにはいかないのである。「民主主義が健全に機能するための条件は何か」という政治学の古典的な問が、新しい疑問として今、改めて問い直されていると言える。このパズルに対して、私なりのヒントを提供するのが研究者としての課題である。そのような立場で、市民の政治参加についてこれまでは考えてきた。民主主義の基本は、市民参加であるにもかかわらず、先進民主主義諸国での投票率が低迷している。「危機」の具体的な指標の一つである。では、政治参加のレベルを維持するために、どのような処方箋が考えられるか。私は、有権者は基本的には合理的で、政治参加がそれなりに有効であることを有権者が承知すれば、積極的にそれを利用するようになると考えている。問題は、「参加」と「政治」とのリンクを明確にすることである。
とりわけ、人間関係における「信頼」の役割について関心を寄せている。政治に積極的に関わる市民が育つには、その人たちのおかれている人間関係が「信頼」に根ざしたものでなければならないと主張する政治学者がある。政治活動の「効果」は、即効性を持つものばかりではない。つまり、自分の時間を犠牲にして政治行動を起こしても、その報いがにわかに自分に返ってくるとは限らない。そんなとき、「自分は馬鹿を見ない」と信じられるか、つまり、他人を信頼できるかどうかが鍵となる。
このようなパズルに答えるために、世論調査データを私は利用する。科学的な理論に基づいた世論調査は、有権者の「心」をかなり適切にあぶり出してくれる。政治学の多くが政治エリートを分析対象とするが、私は、有権者の「ことば」を手がかりに研究をしている。
講義・演習・小クラスについて
教室でのキーワードも「信頼」である。教師と学生が信頼関係で結ばれていることが、教育の大前提だと思う。そのために、学生一人一人との直接の対話を大切にしたいと考えている。ゼミはもちろんのこと、講義科目でも、学生諸君が主体的に参加できる工夫を心がけている。授業は、原則、45分ぶんしか用意しない。残りは質疑応答に当てる。また、ゲームやシミュレーションも予定している。一緒に考え、一緒に授業を創っていく。大学の授業の楽しいところだ。
ゼミ生の一言
西澤ゼミでは、投票行動学を材料に、「考える力」、「表現する力」、「粘り強く取り組む力」の向上を目指している。そして、この力を育成するための活動は、多岐に及ぶ。「考える力」は、文献の通読や個人報告に対するフィードバックを通して養っている。ただ受け身の姿勢でこれらに取り組むのではなく、自らの思考力を巡らせ、批判的な視点を持って取り組むことで、考える力を鍛えている。
「表現する力」は、文章の執筆や報告スライドの作成、個人報告を通して養っている。文章の読み手や報告の聞き手にとって、「わかりやすい」表現方法を常に追い求め続け、そのために必要な技術やツール、手法の習得とその実践に励んでいる。
「粘り強く取り組む力」は、ゼミ生一人一人の個人研究を通して養っている。西澤ゼミでは、ゼミ生各々が研究課題を設定し、2年次生は半年間、3・4年次生は1年間それに取り組む。そこには、研究テーマの設定から命題・仮説の提示、データ分析、論文執筆、口頭報告まで、非常に長い道のりがある。この長い道のりに、「ワクワク」する気持ちを持って、粘り強く取り組み続けることが求められる。
ゼミ活動の中には、一人の力で乗り越えることが難しいものもある。しかし、ゼミ生同士の協力と、活動への取り組みに真摯に向き合ってくださる西澤先生のおかげで、乗り越えることができる。
(3年次生 宇野優真)