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法律学科

「手続法の論理」で民法上の権利は変化するか

教授 梶山 玉香  KAJIYAMA Tamaka, Professor

専門分野 民事法
Civil Law, Civil Execution Law
研究室 光塩館409
TEL (075)251-3587
E-mail tkajiyam■mail.doshisha.ac.jp
※■は@に置き換えてください。
  ゼミHP
  業績リスト
List of Research Achievements
教授 梶山 玉香

私の研究

大学院以来、主として、民法と手続法が交錯する領域を研究しています。たとえば、不当判決に基づいて強制執行が申し立てられたり、債務者以外の人の財産が差し押さえられたりした場合、民事執行法は救済手段を用意しています。しかし、そうした手段を用いなかった場合、強制執行により財産を失った人は、手続終了後に、執行債権者に対して不当利得返還請求等をすることができるか、という問題です。

担保権者がどのような権利を有するかも、交錯領域の問題です。担保権は民法上の権利ですが、実際、「優先」を主張する場面は執行や倒産等の手続です。その際、しばしば「手続法の論理」から、担保権その他の実体権が「制約」されます。

最近は、差押物件の使用収益や差押え禁止財産について、研究をしています。「差押え」、「差押え禁止」によって実体権の内容に「変化」が生じるのか、です。要するに、「手続法の論理」と「民法の論理」は時に衝突する(ように見える)けれど、本当に相容れないのか、が私の研究テーマです。

また、他分野の研究者と「誰アク(誰ひとり取り残さないアクセシビリティを考える)プロジェクトいろいろ」(https://dareaku.jimdosite.com/)を立ち上げ、バーチャル教室や分身ロボットを使った教育のユニバーサルデザイン化に取り組みました。これまでは教育方法の検討にとどまっていますが、新たな研究分野として関心を持っています。

講義・演習・小クラスについて

今年度、民法科目としては、春学期、基礎科目「民法概論」と展開科目「民法Ⅲb(契約)」、秋学期は、展開科目「民法Ⅳa(担保物権)」を担当します。その他、「教育実習指導/教職実践演習」(春・秋)、複合領域科目「ダイバーシティー社会における障がい学生支援を考える」(秋)も担当します。

2年秋からのゼミは「知識を使う」力を試し、伸ばす機会です。知識は独学でも身につけることができますが、それを使う力は実践することでしか身につきません。年末の学内民法系合同ゼミ(3年生)は、今年で18回目を迎え、そうした力を飛躍的に伸ばす機会となっています。梶山ゼミは初回から毎年出場しています。

一昨年と昨年、4年生が「城調査プロジェクト」と銘打って、城の歴史、所有・登記状況を調べました。

ただ、今年はどうするか、それは、今年度のゼミ生次第です。そもそも、大学では、「誰かにやらされる」ものはありません。本来、新しい知識を得ること、物事を考えること、仲間と議論することは「楽しい」ことです。もちろん、講義やゼミを楽しいものにするためには、みんなが、少しばかり面倒なこともしなければなりません。
そんな話を含めて、ゼミのあれこれは、ゼミ連絡板Kajitama Newss:https://blog.goo.ne.jp/kajitama_newsで。

プロフィール

1966年大阪生まれ。
4歳から23年問、南河内の藤井寺で暮らしました。1985年に大阪府立生野高校から同志社大学法学部へ入学。1989年、同大学院法学研究科に進学、1993年、助手として残り、現在に至ります。

今春、学部ゼミでは25期生が卒業し、大学院では修士16期生(ただし、3・8・9・11期生は不在)にあたるダブルディグリー生が今秋に修了予定です。OB・OG会は組織していませんが、時々、卒業生や修了生がふらりとゼミに立ち寄り、現役生にまじって議論やコンパに参加します。最近は、オンラインでの参加も増えました。その自由さが気に入っています。

27歳の息子は、中学吹奏楽部でコントラバスに出会い、顧問の先生の勧めで音楽高校に進学、その後、芸術大学・大学院を経て、フリーの奏者として演奏活動をしています。学校での「出会い」が進む道を変えるさまを、ハラハラ、ワクワクしながら見てきました。今は、親というより、サポーターの立場で応援しています。

毎年、春に六甲山へ出かけ、子ヒツジと遊ぶことにしています。動物園、水族館には積極的に出かけます。何事も「やりたい」かどうかで決めますので、そうでないことには極めて消極的です。