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法律学科

行政各部編成の法的研究

助教 沼本 祐太

専門分野 憲法
研究室 光塩館411
沼本 祐太

私の研究

近年、日本では出入国在留管理庁やデジタル庁が設置され、続けて「こども家庭庁」も新設されました。こうした行政組織の設置・改廃を含む行政各部の編成は、現代の社会問題に国家としてどのように対応するのか、ひいては国家としての将来像をいかに描くのかということと大きく関わっています。したがって、行政組織の編成を対象とする法分野である行政組織法は、国家統治上の重要な法分野と言えますが、この分野における公法学の研究は他の分野に比べて必ずしも進んでいません。そこで、この分野の欠を少しでも埋めるというのが、私の研究活動の目標です。

私の専攻はあくまで憲法学ですが、このような目標の達成に向けて、行政法学や政治学、行政学など、幅広い分野・視点から問題にアプローチすることを日々試みています。また、日本の制度・理論を考察するにあたっては、ドイツやフランスなど、諸国の制度・理論と対照することでその特殊性を明らかにできないか、また既存の制度・理論とは異なる何らかの代案を提案できないかと考えています。

研究の詳細については、researchmapをご覧ください(https://researchmap.jp/70883073)。

講義・演習・小クラス等について

来年度は、主要な講義・演習として、「統治の原理Ⅱ」、「人権保障の原理Ⅱ」、「リーガル・リサーチ」、「文献研究(ドイツ語)」、そして2年次・3年次演習を担当する予定です。

「統治の原理Ⅱ」では、司法権の問題や地方自治の問題を取り扱います。講義においては、基本的な知識を受講生の方々につけていただくのは勿論のこと、現代的な課題を取り上げて、憲法的な観点からその解決をどのように図るかについて考える機会を設けることができればと思います。
「人権保障の原理Ⅱ」では、職業選択の自由や生存権について説明します。「人権保障の原理Ⅰ」を含め、学生の皆さんには憲法上の権利について広く学んでいただければと思います。

「リーガル・リサーチ」では、法的な問題を取り扱うための基礎的な知識について講義を行います。今後法学部で学んでいく受講生の方々がスムーズに法的な議論に入っていけるように、最低限の知識を身につけていただこうと思っています。

「演習」(ゼミ)は、憲法学についてより深く知っていただける機会となります。受講生の皆さんが現代社会の具体的問題について討議することも重要ですが、建設的な議論のためには、まず教科書レベルの知識を十分に固めていただく必要があります。そこで、2年次演習では、代表的な教科書の読み比べなどを通じて、伝統的な学説や判例についてじっくりと検討していただこうと考えています。

「文献研究(ドイツ語)」では、ドイツ国法学に関する初歩的な文献を講読します。外国語文献の精読は非常に根気のいる作業ですが、日本の法律について勉強しているだけでは得られない、新たな発見が皆さんにあるかもしれません。関心のある方は是非受講してみて下さい。

プロフィール

1993年、岡山県岡山市出身。
2015年に同志社大学法学部法律学科卒業後、京都大学大学院法学研究科へ進学。2017 年に修士(法学)、2020年に博士(法学)。2022年3月まで京都大学大学院法学研究科特定助教2022年4月より現職。

学生の皆さんとお話しできるのを楽しみにしています。