同志社大学 法学部・法学研究科

法律学科

雇用社会と法の最先端を学ぶ

教授 土田 道夫

教授 土田 道夫
専門分野労働法
研究室光塩館416
TEL(075)251-3614
E-mailmtsuchid@mail.doshisha.ac.jp
 業績リスト

私の研究

 労働法は、法の最先端に位置する領域です。たとえば、銀行グループのドラスティックな再編成を考えてみて下さい。ある銀行グループは、従来の3行体制から、持株会社を設立して結合し、会社分割法制を利用して、事業ごとに組織を再編成しました。これらは会社法や独占禁止法の問題ですが、そこで働いている人々はどうなるのでしょうか。F 銀行に入行したつもりが、いつの間にか別銀行に移籍となり、仕事や給与・労働条件も変わるかもしれない……。こうなると、労働法の出番です。激変する経済社会の最先端で進行する様々な動きを雇用関係・労使関係の観点からチェックし、労使間と社会における最適な利益調整を図ること―ここに労働法の役割があります。
 私は、このような労働法の先端的テーマに取り組んできました。近年の研究テーマは、労働法の基礎を成す労働契約の研究、成果主義人事の法的構成、解雇規制・解雇法制のあり方、有期契約・パートタイム労働者の処遇のあり方、転職後の守秘義務・競業避止義務、会社分割・事業譲渡と雇用関係、労働条件の不利益変更、職務発明、集団的労使自治と法規整の役割、企業法務と労働法、国際的労働契約法、M&A と労働法、働き方改革関連法(2018年)の展望等々です。これらテーマの多くは、現在進行中の政策的課題と重複するため、解釈論だけでなく、適切な立法的対応を実現するための研究にも取り組んでいます。それだけに大変ですが、やり甲斐のある仕事でもあります。
 私は、これらの研究をふまえて、2003年、『労働法概説Ⅰ』と題する教科書を弘文堂から出版し、2008年に『労働法概説』として改訂、2014年に『労働法概説』を第3版として改訂しました。また、2008年に『労働契約法』と題する体系書を有斐閣から出版し、2016年に第2版として改訂しました。2010年には、『基本講義労働法』と題する入門書を新世社から出版しました。さらに、2004年度から2005年度にかけて、法科大学院用のテキストである『ケースブック労働法』を有斐閣および弘文堂から出版し、2015年、2014年にそれぞれ第4版、第8版として改訂しました。このほか、2009年には、労働法の変化と展望の解説を内容とする『ウォッチング労働法(第3版)』を有斐閣から出版し、2011年、『条文から学ぶ労働法』というテキストを有斐閣から出版し、2012年、『債権法改正と労働法』を商事法務から出版し(編著者)、2016年、『企業変動における労働法の課題』(編著者)を有斐閣から出版しました。2019年度は、『労働法概説』『労働契約法』『ウォッチング労働法』の改訂および『企業法務と労働法』(商事法務)の出版に取り組む予定です。

講義・演習・小クラスについて

 2019年度は、学部講義として、「雇用関係法Ⅰ・Ⅱ」および「雇用と法」を担当します。「労働法は、すべての市民が知っておくべき基本ルールである」という考え方に立ち、わかりやすい授業をめざします。多くの学生の受講を期待しています。
 演習は、2年次演習・3年次演習・4年次演習を担当します。ディベートを含めた知的能力のトレーニングを重視しつつ、ゼミ生の語らいと交流に満ちた場にしたいと考えています。

学生へのメッセージ

 学生生活は、楽しくなければ意味がありません。しかし同時に、大学時代は、将来に向けたキャリア設計(CDP=Career Development Programme)のための重要なステップでもあります。大学が擁する膨大な知的情報は、CDP 設計のための宝庫です。同志社という恵まれた環境に身を置くのですから、大学を上手に利用して、CDP を追求する場として下さい。
 また、同志社の大学院法学研究科は、研究者だけでなく、企業法務や企業人事のキャリアを志望する学生を広く受け入れています。大学院にも積極的にチャレンジして下さい。

プロフィール

 東京大学大学院博士課程修了(法学博士)。人一倍、同志社を愛する人間です。
 趣味は、音楽鑑賞(中学時代にクラシックにのめり込み、大学時代以後はロックとジャズに夢中になるも、現在は研究と異なり、最先端についていけず、せつな系・癒し系が中心)、テニス・スキー(下手の横好き)、おいしい酒をおいしく飲むこと(これは特技)。気軽に声を掛けて下さい。