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政治学科

アメリカの安全保障

助教 阿部 亮子

専門分野 国際関係
研究室 光塩館315
TEL (075)251-3516
E-mail rabe■mail.doshisha.ac.jp
※■は@に置き換えてください。
  業績リスト
阿部 亮子

私の研究

私は戦略という視点から、アメリカの安全保障を研究しています。戦略学とは、政治(目的)と軍事(手段)の両方に着目しながら、国家や非国家主体間の戦争、強制外交、抑止といった軍事力の行使や脅しといった現象を解明しようとする学問です。私は歴史的アプローチでアメリカの各政権がどのように軍事力を捉えてきたのかを考察しています。大学院では、ベトナム戦争後のアメリカ海兵隊の改革に着目し、イラク戦争でみられた米国の戦略文化の伝統からの逸脱の起源を描きました。現在では、その研究を踏まえて、以下の二つの研究に取り組んでいます。

一つ目は、米国は、いかに、イラク戦争で、ベトナム戦争での戦略的失敗を繰り返すようになったのかという問いです。米国では、ベトナム戦争後に、軍事的勝利・政治的敗北の反省から軍が「目的」と「手段」の関係から戦略を再定義します。レーガン政権で、軍の定義が国防政策の軍事力行使の原則に反映され、湾岸戦争は戦略の成功例と指摘されます。1990年代の国際関係の理論と戦略思想そして米国の軍事介入の事例の両方において、イラク戦争でのブッシュ政権のレジーム・チェンジ(目的)と機動戦(手段)の結合の発展過程を考察することで、アメリカがイラク戦争で戦略的失敗に至った過程を描いています。

二つ目は、トランプ、バイデン政権で、米国の国防政策の焦点がテロとの戦いから、米国と中国、米国とロシアの大国間競争へと変容する中で、アメリカ海兵隊の任務がいかに変化しているのかを解明し、日本の安全保障へのインプリケーションを示すことです。

講義・演習・小クラスについて

本年度は、1年次生向けの入門科目である「政治学入門」「政治学基礎A・B」、「政治学」(全学共通科目)、「特殊講義」((新聞で知る世界(読売新聞寄付講座))を担当します。「政治学入門」「政治学基礎A・B」では大学で学ぶ上で必要となる基礎的な技術と、政治学を学ぶ上で必要となる基礎的な知識の習得を目指します。「政治学」(全学共通科目)では、国際政治の理論と歴史を概観した後、現在の米中の大国間競争について考察します。どの科目でも、受講生が抱いている疑問を大切にしながら、授業を進めます。

プロフィール

イギリスのバーミンガム大学で国際学(安全保障)の修士号を取得し、同志社大学法学研究科博士後期課程在籍中に、フルブライトプログラムでアメリカのバージニア州にある国防総省の教育機関に留学、その後、同志社大学研究開発機構、東京の政策研究大学院大学で研究を続けています。

知らない町に滞在するとワクワクします。最近は、江戸時代の地図と比較しながら、六本木の街歩きを、コロナに気をつけながら、楽しんでいます。私が所属した政策研究大学院大学の研究室は、日本陸軍歩兵第三連隊の元兵舎と米軍のヘリポートに隣接しています。六本木ミッドタウンには歩兵第一連隊が置かれていました。その向かいには、今ではバーニーズNYの店舗があります。地図を片手に町を歩くと、六本木が、江戸の藩邸と町人文化から、明治に軍隊の街へと変わり、戦後に米軍が接収し、アメリカ文化を吸収しながら、商業都市として発展したことがよくわかります。5回目となる京都生活では、どの観点から古都の町歩きするか、どの地域を歩いてみようかと、楽しみです。映画鑑賞も好きです。