同志社大学 法学部・法学研究科

政治学科

フランスの近代と反近代

教授 長谷川 一年

長谷川 一年
専門分野西洋政治思想史
研究室光塩館508
TEL(075)251-3550

私の研究

 近代フランスを中心に西洋政治思想史を研究しています。なかでも「自由・平等・博愛」というフランス革命の理念に背を向けた「アンチ・モダン」の知識人に関心を持っています。これまで取り組んできた人物としては、白人(アーリア人)を頂点とする人種的序列を構想したアルチュール・ド・ゴビノー、労働者の行使する暴力の倫理性を称えたジョルジュ・ソレル、民主化と同時に進行する大衆社会化を呪詛したギュスターヴ・ル・ボン、ドレフュス事件でユダヤ人排斥の先頭に立ったモーリス・バレスなどが挙げられます。彼らはナチズムやファシズムに霊感を与えた「悪しき思想家」として、フランス本国でも長らく白眼視されてきました。しかし、彼らは才能を欠いていたがゆえにナチスの片棒を担ぐことになったわけではありません。むしろ、ある種の知的能力に恵まれた者だけが「悪しき思想家」たりうるのだと思います。「反近代」の思想を通して、人間の知性というものを精査し、近代という時代の栄光と悲惨を再検討することが当面の研究課題です。
 思想史研究と並行して、現代フランス政治の動向にも注目しています。とくに移民問題を背景とした極右の台頭あるいはポピュリズムの進展について、反ユダヤ主義からイスラモフォビア(イスラム嫌悪)へという大きな文脈に留意しながら、政治思想史的な観点から分析してみたいと考えています。

講義・演習・小クラスについて

 今年度は、講義科目として「政治思想の源流」「近代の政治思想」「現代の政治思想」などを担当します。
 2年次演習では、広く現代社会の諸問題を扱った新書レベルのものを読んでいく予定です。3・4年次演習では、西洋政治思想史の名著に取り組んでみたいと考えています。飲み会やゼミ合宿も適宜開催しますので、積極的な参加を望みます。他大学との合同ゼミも開催できればと思っています。

プロフィール

 1970年、大阪生まれ、岡山育ち。1993年、同志社大学文学部英文学科卒業。1998年、同志社大学大学院法学研究科博士後期課程修了。博士(政治学)。同志社大学法学部助教、島根大学法文学部教授、フランス社会科学高等研究院(EHESS)客員研究員、南山大学法学部教授を経て、2019年4月より現職。趣味は映画鑑賞。