同志社大学 法学部・法学研究科

政治学科

野党政治家のリーダーシップ

助教 松本 浩延

助教 松本 浩延
専門分野日本政治史
研究室光塩館302
TEL(075)251-3442
 業績リスト

私の研究

 私の専門は、戦後日本政治史です。特に、野党やその指導者のリーダーシップに主要な関心があり、浅沼稲次郎(1898 ~ 1960年)という一人の政治家に焦点を当てて、これまで研究を進めてきました。浅沼は、戦前期から社会運動家・政党政治家として活動を続けた人物であり、戦後においては、初期の日本社会党の指導者でした。こうした浅沼の経歴は、総理大臣を務めた政治家などと違い、極めてマイナーといえるでしょう。にもかかわらず、浅沼の名前が今日でもなお例外的に知られているのは、彼が公衆の面前で暗殺されたことが大きな要因です。浅沼が刺殺される瞬間の映像は、テレビなどを通じて繰り返し放送され、当時の社会に大きな衝撃を与えました。
 以上のように、私の研究対象は、半世紀以上前の一野党政治家に過ぎず、現在の問題を直接解決するようなものではありません。しかしながら、浅沼が中心的に活躍する1950年代は、今日までつながる様々な政治外交上の課題(領土・安全保障・基地・憲法等々)の起点となる重要な時期でした。また、戦後日本の政党政治を大きく規定することとなった二つの画期(1955年と1960年)を含んでもいます。このような時代に、代表的な野党指導者として活躍していたのが浅沼でした。彼のリーダーシップに対する分析を通して、戦後政治史のいわば一裏面を明らかにする現代的意義は、決して小さくないと考えています。
 さらに言えば、野党は、政治的反対が政党政治の場で制度化されたものです。政治的反対それ自体は、その大小や左右を別にして、いかなる時代にも存在してきました。それは、より穏健な形であれば政権への不支持やデモの増加、選挙を通じた政権交代として表出するでしょう。より過激な形であれば、クーデタや革命、内戦として表出することもあります。この意味で、政治的反対と上手く付き合っていくことは、安定した社会や政治の秩序を構築・維持する上でとても重要ですし、その中で野党指導者が担う役割は、実は大きなものではないかとも考えています。
 ある人物の生涯を研究することは、知的にエキサイティングな活動であるとともに、大きな責任も生じます。この狭間で苦しみながら、価値ある研究を打ち出すべく日々格闘しています。

講義・演習・小クラスについて

 本年度担当する科目は、1年次生向けの入門科目である「政治学入門」「政治学基礎A・B」と、2年次生以上から履修可能としている「特殊講義B」「2年次演習」です。「政治学入門」「政治学基礎A・B」では、大学生として必要なスキルや、政治学を学ぶための基礎的な知識や方法論を修得していきます。これらの授業を通して、自身の疑問や関心を見つけ出し、それを解決する楽しさを感じてもらえたらと思います。
 「特殊講義B」では、「戦後日本の野党」と題して、戦後政治史における野党の役割や評価について、歴史的・理論的な視点から議論を行います。また「2年次演習」では、日本政治史研究者が執筆した新書を輪読しつつ、史資料やデータベースなどを実際に用いながら、政治史研究の基礎的な知識や方法論を修得することを目標とします。

プロフィール

 1992年、大阪府生まれ。2014年、同志社大学法学部政治学科卒業。2019年3月、同志社大学大学院法学研究科博士後期課程修了。博士(政治学)。2019年4月より、3年の任期で法学部助教に着任しました。趣味は園芸と博物館・動植物園(主に国内)めぐりです。どちらもまだまだ初心者ですが、家族や友人と楽しんでいます。