以下、本文になります
国際派をめざすあなたへ
「国際派」の道へ進んだ卒業生から皆さんへ
在学中にやっておくとよいこと(株式会社JADE創業者/取締役最高戦略責任者・2010年3月法学部法律学科卒業)
自分は同志社大学卒業後、英国ロンドンのLondon School of Economicsにて社会人類学の修士を取り、Google へ就職し、アナリストやプロダクトマネージャーとして東京や米国カリフォルニア州などで計8 年働いたのちに退職。Twitter でデータサイエンティストとして働いた後、コンサルティングの会社を創業して現在に至っています。「国際派」の定義は難しいですが、20代の半分以上を国外で過ごした自分はある程度当てはまっているでしょうから、自分自身の経験に基づいて、在学中にやっておくとよいことを書こうと思います。まず、基礎的な教養と論理操作能力をつけておくこと。どんな言語を話していたとしても、話す内容が伴わなければ意味がありません。在学中、毎日1冊は新書や文庫、学術書を読了するということを習慣づけるようにしていましたが、そのおかげで知識の幅を広げることができ、またそれらの本を要約する過程で論理操作能力が身についたと思います。数学などの理系的教養もますます重要になってきていますから、学生のうちに選り好みせずにさまざまな脳の部位を使っておくようにするのがおすすめです。
次に、アカデミックなライティングの能力をつけておくこと。日本語でも英語でも、学術的な文章の構成要素はそこまで変わりません。語学学習というと日常会話などに力を入れてしまいがちですが、在学中にアカデミック・ライティングをしっかりと押さえておけば、他の能力は後からついてきます。ゼミ形式の授業などを活用して、書き方をしっかりと指導してもらいましょう。
最後に、交換留学制度を利用すること。在学中、自分は交換留学制度を利用して英国ケンブリッジ大学のSt. Catharine’s College にて主に政治思想史を勉強しました。毎週本を5冊ほど読んで2000ワードほどの小論文を書く、という課題が4本ほど並行で出るようなコースでなかなかにハードでしたが、拙い英語を使って自分の思考力を鍛えるいい機会になりました。
以上のことができれば、卒業後世界のどこに出ていっても対応することのできる基礎が出来上がっているはずです。楽しく有意義な学生生活になりますように。
自分を信じて、夢に向かって挑戦する大切さ(国連世界食糧計画(WFP)ヨルダン事務所・2014年3月法学部法律学科卒業)
私は、現在、国連世界食糧計画(WFP)ヨルダン事務所の活動に従事しております。WFP は、飢餓のない世界を目指して活動する国際機関です。紛争や自然災害などの被災国に対する緊急援助や、途上国の地域社会と協力して栄養状態の改善と強い社会づくりに取り組んでいます。ヨルダン事務所では主に、①難民やヨルダン貧困層のための食糧支援、②難民やヨルダン貧困層への雇用支援、③ヨルダン貧困地域の学校に対する給食の提供に注力しています。COVID-19 の影響を受け、難民や貧困層の脆弱性が高まっているため、一人でも多くの人に食糧を提供できるように日々奮闘しております。私からは次の3つのメッセージをお伝えできればと思います。
①在学期間中に自己分析をし、興味あるワクワクする分野に挑戦してみてください。
私には、グローバルに働きながら恵まれない立場に置かれる人々のために何か貢献したいという強い思いがずっとありました。在学中にイギリスの大学へ1年間交換留学をし「開発学」に触れ、この経験をきっかけに卒業後、アフリカ大陸のルワンダで働くことを決意しました。最初は外交官に憧れを持ちましたが、周辺国から渡る難民の生活状況を見て、難民支援に関わる仕事へキャリアのベクトルを変えました。
②他の人と違う道でも勇気持って、自分の可能性を信じて、やりたいことに一歩ずつ近づいてください。
他の進路を歩む同級生を見て、不安になることも多々ありました。さらに、国際機関で就職するには海外の大学院へ進学するのがエントリーポイントであると言われますが、私は大学の成績が特に優秀であったわけではなく、留学するお金もありませんでした。そのため、まず3年間ルワンダで経験を積み、働きながら進学準備をし、奨学金の出願をしました。幸いにもロータリー財団から奨学金を得ることができ、イギリスの大学院へ進学することができました。職場では今も毎日大変なことが多いですが、いろんな刺激を受け、少しずつでも成長できるように努めています。
③最後に、興味がある分野で活躍する先輩、もしくはキャリアのロールモデルを見つけて、その人の軌道を参考に戦略を立て、決して自分の可能性を狭めないでください。
日本を出て学んだこと(イギリス キングストン大学法学部・2003年3月法学部法律学科卒業)
私には小さい頃から海外で働きたいという夢がありました。漠然としたものでしたが、私の夢でした。だからと言って英語が得意であったわけでなく、むしろ苦手な方でした。私が初めて英語が話せないことの悔しさを身にしみて感じたのは大学2回生でスペインに留学した時でした。スペイン語を勉強しに行ったはずが、授業は全て英語で、その英語ができなかったために、スペイン語どころか、会話について行けず、とてもとても悔しい思いをしました。3回生でイギリスのボーンマスというところに1年間語学留学しました。同志社を卒業後、イギリスのサウスハンプトン大学の修士課程に進学することを決め、国際商法を専攻しました。1年間、いろんな国から来た人たちと過ごしました。この1年が私の人生を大きく変えるものになりました。知的財産法、国際人権法、会社法を勉強したのですが、初めは授業についていけず、教科書を読んでも理解できず、授業でも発言できず、とてもしんどかったです。でも今振り返ると、楽しかったことしか覚えていません。特に、その時に出会った友達と先生は私の宝物です。
修士課程修了後、進路について迷っていると、知的財産法の担任講師から博士課程に進学することを勧められました。そして、博士課程にて著名商標法について研究しました。博士取得の後、ロンドン郊外にあるキングストン大学法学部にて研究、教鞭をとって今に至ります。
私からのメッセージは2つです。私にとって英語は自分が活躍できる場を広げるための武器です。英語は私の意見を数多くの人に伝えるための武器です。文法の正確さより、自分の言いたいことが伝わっているかどうか、そちらの方に焦点を当ててください。そして諦めず、続けること。長くて孤独だった博士課程を諦めず、続けたからこそ私の今が有ります。イギリスでお会いできることを楽しみにしています。